ジシギ屋のつぶやき

by Happy Chappy

Birdopia Gallinavi
2022.06.06renewal

ジシギに興味を感じてから早6年になりました。新しく覚えたこと又感じたことなど観察取材報告では語れない、纏められなかった部分などいろいろとその時のことを書き留めたいと思い始めました。微妙な表現をしているので筆者の考えを理解して頂ければ幸いです。2011,08,10  猛暑日の午後

段差の考え方、針尾の見方など・・・いろいろ続く

 2013,06,25(火)続・夏羽と冬羽について

先ずはタシギから、一般的な写真図鑑から夏羽では明るく茶褐色に変身する。これらは春の桜の季節になると関東平野でも観察される。GW過ぎ頃まで観察されている。当ホームページにもこれらの画像は公開している。冬羽は繁殖期が過ぎて秋の渡りが始まる。通常は8月に入ってから観察されるが9月に入ると個体数が最大数になる。この頃は成鳥、幼鳥、幼羽から第一回目の冬羽までいろいろな段階、ステージとも言われる、の個体が渡って来る。タシギの繁殖期は4-8月になっているから早生まれ、普通、遅い個体などその環境では成長速度もいろいろである。兄弟姉妹でも同じ巣、親から生まれても大きさに差異がある。これらは普通に起こる事です。生まれる時期が異なるから羽毛の換羽もそれぞれに個体ごとに変化が観られる。それでも種全体のくくりとしては11-12月には冬羽、第一回目冬羽が完了している。筈です。年が明けても尚幼羽らしき痕跡は羽縁が白く細い事ですが、これは冬羽でも極めてバフ色が白く細く見える個体もいるので要注意です。俺の頭の中には夏羽は艶やかで美しく輝きを放ち、冬には地味な色に変身すると。思っていた。つい最近までです。そしてこの春に越冬と春の渡りを一月半に渡り観察を続けました。越冬個体春の渡りで渡来した個体など冬羽、夏羽などいろいろな個体と遭遇したのです。その結果、確かにタシギでは夏と冬では見違える程の変身をするのです。しかし、その他のハリオ、チュウジ、オオジではタシギのような極端な大変身は無いのです。秋に観られる冬羽と春に観られる夏羽は殆ど変わらないのです。少しの変化はあると思いますが、これらは今後の課題とします。ジシギたちの最も美しく見えるのは換羽完了時の夏羽と冬羽です。どちらも相違は無い、少ないのです。夏羽でも、冬羽でも完了直後が最も整っている。色彩も形も全てがパーフエクトです。経時変化、日、月の変化は退色、変色、摩耗、脱落など自然に或いは突然の事故などいろいろな要因による。移動、渡りは過酷な条件も重なる。気象条件、紫外線、風雨などいろいろある。すると初期、から後期には見違えるように色彩、摩耗、脱落が観られる。半年毎の生理的換羽と事故による再生換羽などは相当なエネルギーを代謝することが分かっている。換羽は移動前から、そして最終的には越冬地或いは繁殖地又はその途中で行われる。秋の渡りでは完全換羽途中の個体もかなり多く観察される。これらはそこに留まるのか或いはより南下するのかは分からない。少なくとも途中で換羽を始めたら飛行には不十分な羽毛になるから完成するまでは留まっていると考えるのが普通です。この春にハリオシギを拾った、その羽毛は既に夏羽でした。ところが尾羽は換羽中でした。尾羽でも無ければ飛翔には差し支えると思うのですが、あの個体は越冬中で尾羽を換羽中と観るのが妥当なのでしょうか。俺には解読不可です。自然換羽では無く、事故による換羽なら理解出来るのです。

タシギ以外では夏羽と冬羽の差が大差ないと書きました。10年前はまだ観察経験が浅く分からないことが多くありました。現在では夏羽、冬羽の新鮮な個体では明らかに艶やかさが異なります。タシギの夏羽が一番多く観られるので分かり易いです。ハリオシギやチュウジシギでもやはり地味な色合いでも頭側線内の斑点が明るく多くなるなどの変化が観られます。オオジシギでは四月に本州に渡来を始めます、しかしどの個体でも極端に変わった個体を観ることは、少ない、或いは無い。それはオオジシギの夏羽への換羽は移動よりかなり以前に換羽を終了していると思われる。従って日本に渡来するときはかなり時間が経過して、摩耗、退色が進んでいると思われるのが普通の考えです。当ホームページにも掲載しているが初期の新鮮な夏羽の個体は少ないと思われる。以上の理由によりオオジシギの夏羽は理解できます。一方ではアオシギは越冬しているが3月末には移動を始める、やっと肩羽が換羽し始める頃です。渡って日本から居なくなるころに換羽が進んで夏羽になるのではないか⁇。同様に晩秋の頃に11月には渡来するが幼鳥・幼羽はなかなか観ることは少ないように思う。多分、かなり遅く生まれた個体は幼鳥幼羽で渡来している可能性はあると思う。これからの情報待ちです。2022.06.06追記。




夏羽のハリオシギ、尾羽は換羽中です。事故による換羽と見るのが妥当でしょうか。3月下旬沖縄本島


2012,10,23(火)夏羽・繁殖羽、冬羽・非繁殖羽など

鳥は繁殖期の前から綺麗に衣替えする。という印象が強い。のは俺だけでしょうか。シギチでも夏羽としてエリマキシギを始めとして多くの鳥たちは冬から夏の繁殖羽に衣替えするととても艶やかになる。本州を北上しながら換羽する個体、通常より遅れて北上すると正しく夏羽というような羽衣になっている。そんな変化が当たり前とも思っているから、ジシギでもそんな妄想をしてしまう。何年もジシギを見ているとジシギは繁殖期とは言え、それ程艶やかな変身するものでは無いということが分かった。しかし、通常夏羽・繁殖羽というと色は地味でも羽衣は綺麗に整っているのが当たり前です。ジシギ、敢えてオオジシギではディスプレイフライトを過酷なまで続ける、朝から夜中までで食事以外はディスプレイしかすること無いみたいに。そんな過激なディスプレイでは羽毛は退色、擦り切れ、脱落が起こる。繁殖期とはいえ渡来直後からどんどん羽毛は劣化の一途を辿る。俺が観るオオジシギは六月上旬だから、既に彼らの羽毛は相当な傷みを伴っている。これらは摩耗とか擦れとか言われる。尾羽の先端部や雨覆いの羽縁も例外では無い。それらの痕跡は成鳥・夏羽の痕跡として年齢の識別に多用される。何を言いたいのか、このような羽毛が激しく変化するような場合には、夏・繁殖羽の初期・前期、中期、後期・末期など期間を細分化すると尚一層理解を深めることができる。と思います。一部のシギチのブログサイトにはそのような分かり易い前期・中期・後期と解説している。大変参考になる。成鳥では年に一度の完全換羽と(夏・冬)の部分換羽が行われる。同様に換羽は時間をかけて行われるから換羽が完了した時が最も羽毛・羽衣が整い綺麗な時でもある。その後時間の経過と共に劣化の一途を辿る。夏も冬もそれらの状態が分かるともっと楽しくなると思う。幼鳥・幼羽から第一回目の冬羽(部分換羽)。第一回目の夏羽(部分換羽)。第二回目の冬羽は完全換羽で成鳥・冬羽。通常第一回目の冬羽と成鳥・冬羽は見分けは難しい?、不可?でしょうか。


2012,08,28(火)オオジシギの渡りから、フイールド開拓

道東から戻り編集が終わるころには8月になっていた。既にオオジシギは7月上旬には関東平野で察されている。五年ぶりでしょうか地元の秋の渡りの観察に出かけてみました。フイールドとしていた隣の市の田んぼは工業団地の誘致で休耕田が増えて原野化していた。そんな所にはオオジシギは立ち寄ることは無い。そして新たなフイールドを開拓すべく8月上旬から利根川流域の田んぼにでかけてオオジシギを探し始めた。初日には簡単に成鳥が観られた。しかし、その後は4-5連敗でジシギの姿・形はさっぱりでした。そうこうしていると8月もお盆が過ぎてコンバインが始動し始めた。そろそろチュウジシギも渡り始めている頃です。関東平野は雨が例年の16%しか降って無い。畔は乾燥している。これではジシギは水のある田んぼから畔に上がることは無い。つまりジシギを見つけるのは相当難しいということです。一つの町の田んぼを隅から隅まで水の入り具合をチェックし、畔を一本一本丁寧に観察するのは並大抵の作業ではありません。そんな集中力はせいぜい朝五時の日の出から3-4時間が限度です。後は帰り道、一度見た畔を再度見ながらの帰宅ということになる。たまたま初回見たのは今季は上旬に集中していたのかも知れない。居ないことも調査の重要な情報です。これにめげずに続けて観察を続けます。これからはチユウジシギの渡りも始まる。更にはタシギも増えてくると益々楽しみは倍増する。今年のネット上では同一個体の観察があちこちから報告されている。それも時間差で。ジシギたちは本格的に渡る前には相当な栄養補給が考えられる。沖縄の経験では、成鳥では風切り羽の換羽が左右非対称に始まる。そのような個体は長期・一月間、に観察されることがある。そしてその生息範囲は非常に狭いということが分かるのです。毎日の観察でほぼ同一場所に居るが時には外乱により少し離れた場所で見つかることがある。餌が少なくなり移動?かな。と思った次の日に元の場所に居る。こうして見ると、彼らは安心して餌が確保できること。安全な隠れ場所があること。などの要因から同一場所に拘るのかも知れない。反面、同一個体と思われるジシギは場所を点々と変えて観察される。しかし、このような個体は長期に観察されることは無く数回の観察でいつの間にか渡って行くのです。これから秋の長雨を期待してジシギの渡りを楽しみます。それにしてもこの時期猛暑日ですから。熱中症との戦いでもあります。台風15号は最大の勢力で沖縄本島を通過した。台湾より南西の14号も引きつられるように北上を始めた。先島諸島も防風雨圏内。バナナは今年もどうかな・・・・・・・・。大した被害がないことを祈るばかりです。




青田から黄金色に変わる頃・・・・・ジシギたちはそっと渡ります。


青田から黄金色の稲になりコンバインが始まる頃オオジシギからチユウジシギが渡り始める



稲刈りが終わるとタシギが増えてくる。オオジシギ成鳥、幼鳥、チユウジシギなど成果がありました。

2012,02,29(水)閏年ジシギの個体の多様性



本州を通過するジシギの種別の酷似の重なりを表している。つまり本州ではチユウジシギとオオ
ジシギの一部が識別しにくい個体が居る。ということを表して居ます。それ以外では重なり合うこ
とは極めて少ないということです。


南西諸島ではハリオシギ、チユウジシギ。が酷似する事ががとても多い。ということを表している




2011,12,08(木)小さなジシギ

前回の画像は小さなジシギ・多分ハリオシギの単独画像でなかなか大きさの判断が難しいと思います。そこで標準となる他のジシギ・チユウジシギが奥に写っています。普通なら同じ大きさなら手前が大きく奥が小さく写る。ですね。ところが下の画像は手前のジシギ・多分・ハリオシギが相当小さいサイズである。というのが分かります。このように極めて小さいジシギはどの種にも居るのです。しかし、同時に写し込むということは極めて稀なことなんです。これは2008,09の画像です。この時の印象は所謂小さなタシギでした。その後の経験からこの個体はハリオシギと識別したのです。前回の画像とはちょっと異なります。これがコシギと誤認されてしまう個体なのです。それにしても相当小さいです。何度も出会ってはいるのですが同時に写り込むのが本当に少ないのです。




2011,12,06(火)小さなジシギはコシギと誤認・そのⅡ

日の出前の画像でちょっと色が変ですがとても愛想の良いジシギでした。私は以前このタイプはタシギの小さい個体とばかり思っていました。そしてそれはハリオシギであると分かったのは数年後の事でした。この個体もハリオシギ的プロポーションです。ところが小さな個体はタシギ、チュウジシギでも居るのでご注意ください。今年は小さな個体を見つけてハリオシギと思っていたら尾羽を広げて驚きました。チュウジシギだったのです。その画像をチェックしているのです。単独で見ると大きいのか・小さいのか分かりにくいのですが、ジシギの経験者ならその雰囲気が分かるのです。華奢で小柄なジシギはある程度の初心者バーダーならコシギと言ってしまうのです。









ニコンD300&300mmf4での早朝・日の出前の画像です。2011年10月11日。沖縄本島。コシギの情報があったら、直ぐ二重眉斑と背中の緑・青の金属光沢を確認するのが良いでしょう。腰を上下に振り振りダンスだけではコシギでは無いのです。

2011,12,05(月)尾羽の見方そのⅡ

下の個体はハリオシギです。真横からの伸びで尾羽・外側尾羽・針尾が見えています。









2011,12,02(金)尾羽の見方そのⅠ




この画像から外側尾羽について考えてみましょう。ほぼ正面からの伸びを撮影したものです。手前から外側尾羽が見えています。1-6本見えています。ここで注意点があります。広げた尾羽をどの角度から見ているかが重要です。外側尾羽のほぼ水平面的に観ているのです。ということは本来の尾羽の広さ・幅よりも細く見えてしまっている。つまり実際の幅よりも細いからハリオシギ的・針尾と勘違いしてしまうことがあります。お分かりですね。尾羽が見えたからいってもその見方感じ方でハリオシギ・チュウジシギと別れてしまうのです。この個体はチュウジシギです。



こちらは中央尾羽が換羽中です。外側尾羽の両側が飛び出して見えています。この場合はこれだけ細いですから水平的に観てもさほど変化はありません。先端の細さにご注目ください。これで本当の針尾という形状が御理解頂けたと思います。




2011,11,18(金)小さなジシギは誤認されているそのⅠ

今年も9-11月上旬の二カ月間の沖縄遠征を終わりました。コシギ情報が現地を駆け巡りました。早い時にはリアルタイムで現場での情報や夕方の情報で翌朝現地にて確認しましたがどの情報も小さなジシギ・ハリオシギかチュウジシギ或いはタシギの極めて小さな個体でした。有る程度鳥を知り、コシギという名を知ると小さいからコシギと誤認しているのでした。その1、前日夕方にコシギを観たという情報で駆け付けたMさんからの情報は現地でジシギの小さい個体が居たというものでした。それでも翌朝に直行すると愛想の良い小さなハリオシギは2-3m程の所に居ました。他を探しても観つけることは有りませんでした。コシギが畔を歩いていた。という情報でした。一人では無くヨーロッパムナグロを観察しに来ていたグループも観たというものでしたが、そのグループの仲間からの情報ではその場ではコシギは否定しませんでしたがそのグループの中には佐敷の本物のコシギを観察されている方が居たのでした。その方の情報ではやはりハリオシギというものでした。その2、やはり夕方コシギを観たというものでした。翌朝も電話でコシギを観ているという情報でした。カメラを持参していたから写したというので早速画像を見せて貰うと、なんとジシギそのものでした。詳しくは見ませんが、彼の説明によると極めて小さいのでというのでした。背中は何色と尋ねると白という返答でした。ジシギの幼鳥だったのです。コシギは背中に青・緑の金属光沢が現れるのでそれを確認しないと小さいだけではコシギにはならないのです。2007年から南西諸島のジシギを始めました。その時からいろいろな個体と出会っているのです。その小さな個体は一見してタシギの小型風に見えたので俺はコ・タシギと呼んでいました。そしてある日羽ばたいた時に翼下面が暗色でした。あれ・・・・ハリオか・・・。とずーーーっと思っていました。ところがこのタイプの個体がひょんな事から尾羽を広げたのでした。あれ・・・・・。淡色型のチュウジシギだと気がついたのはついつい最近のことでした。まさか・・・でした。これは貴重な情報でした。小さなジシギ全てがチュウジシギとは思えませんが本当にジシギは何でも有りの世界なんです。本当にコシギを発見されたOさんからプリントなど頂くことができたのは何よりの収穫で宝物です。その発見時のエピソードは腹を抱えて笑うほどのものなんです。


2011,09,02(金)
ジシギの色はいろ色あります。



ジシギは白・黒そして黄・茶色が基本的色彩です。嘴や脚などは黄緑色を帯びています。バフ色とは白の薄汚れた色でベージュ色を思い浮かべるのが普通です。これは西洋人の色彩感覚が極めて大雑把だからでしょうか。バフ色は実際にはメタルゴールドのような金属的発色から単なるベージュ色・濃淡色まで様々な色が観察されるのです。肩羽は幼羽では本来内弁・外弁の縁が細く白いのが基本的・標準的色とされているのですが、実際には外弁は白いことが多いのですが内弁の縁が全て細く白い個体はそんなに簡単には見られないのです。ジシギ五種のイメージカラーは皆さん頭の中にあると思います。タシギといえば赤茶褐色系であり、チュウジシギといえば黒褐色というイメージです。オオジシギでは褐色系ですが顔・雨覆が淡色というイメージです。そしてハリオシギではやはり褐色というイメージです。という作られたイメージカラーです。色の基本は上のようになりますが濃淡・模様の組み合わせで無限のカラーバリエーションが可能になります。淡い褐色のチュウジシギも居ます、そして真黒いと感じる程の赤味・茶色の少ないタシギも居るのです。勿論、アルビノとか白化・部分白化なども実際観察されています。ここでは何を言いたいのかというと、ジシギの色彩は無限だから作られたイメージには拘らない・過ぎないことが大切ですよ。ということです。Dusky黒ずんだ色=灰色系の個体も居るのです。


2011,08,31(水)
ジシギ・ビギナーは図鑑的識別を完全マスターすること

何度も言い続けていますが基本的にタシギの識別ポイントを完全にマスターすること。①初めに翼下面の淡色・白さは他のジシギとの絶対的識別点になります。②次列後縁の白帯が明瞭である。この二点を押えれば先ず問題無くタシギです。他には③腋羽の黒帯は白地より狭い・細く明るく見える。④目先線は眉斑よりも細いなどがあります。以上の四点の内、先の①②二点を確実にすることから他のジシギの識別に入ることができます。タシギを完全にマスターすれば次はチュウジシギです。本州を通過するチュウジシギの殆どは秋には全体的に暗色・黒っぽく感じます。いろいろな掲示板などを参考にしてみましょう。タシギのように尾羽以外では全体的な印象・黒系(本州通過の個体に限ります)だけと覚えて確実に尾羽を広げる・外側尾羽を確認・撮影してみましょう。外側尾羽は細く・暗色が普通です。チュウジシギは有る程度時間観察を続けると食事・休憩・羽繕い・水浴などに遭遇する筈です。遭遇するまで観察するのが最低条件です。尾羽の見方が分からない時には掲示板などで分からないと言えば、ベテランバーダーが親切にアドバイスしてくれます。バーダーは皆さん親切なんです。次はオオジシギです。今が第二回目の渡りのピークです。あちこちの掲示板を賑わせています。中には?もありますがいろいろと勉強して行けば、自分でその画像から○○ジシギと分かるようになります。チュウジシギと同様にビギナーの方はやはり全体の印象のみ理解して、やはり尾羽・外側の淡色を識別点とするのが良いでしょう。そして最後はハリオシギです。針尾ですから外側尾羽の針を一枚でも確認すれば問題ありません。しかし、ハリオシギの針はチユウジシギやオオジシギのように簡単には尾羽を広げても外側尾羽が観えることは極めて稀な事です。でも不可能ということではありません。根気良く観察あるのみです。極めて稀には尾羽が飛び出している個体も居るのです。





2011,08,24
タシギの幼鳥・幼羽


上の画像は背後からです。肩羽・下列には幼羽が残っている。下の二個体は共に幼鳥ですが換羽が始まっている。このようにタシギでの完全な綺麗な幼羽を観察するのは難しいのです。


ほぼ完全な幼羽の個体が見つかりました。極めて少ない画像の一枚です。2011,09,03追加。

2011,08,221(Sun)
識別の絶対的ポイントと相対的ポイント

ジシギの識別ではタシギの翼下面の淡色、次列後縁白帯明瞭は二つ重ねれば確実に絶対的ポイントです。他はご存じの通り尾羽ということです。尾羽の見方はこれまでに何度も繰り返して述べています。数値はSHOREBIRDSによるデータが多いのですが稀には国内図鑑の清棲野鳥辞典、小林桂助図鑑も引用しています。又ある時には羽図鑑実物大図鑑なども大いに参考にしているのです。山階鳥類研究所のバンデングの手引きも実写画像がとても参考になりました。前回のハリオシギの形状については二転三転四転しました。結論は、針とは細くて尖っているのです。そうですね。1-2mm幅というのは先端部では尖りある一定のところから2mm幅ということです。因みにSHORE BIRDSの計測データでは幅は先端部から20mmでの測定です。そして小林桂助氏の図鑑ではチユウジシギ、オオジシギの外側尾羽の最大幅の数値がとても参考になりました。チユウジシギではSHORE BIRDSでは2-4mm、です。小林桂助氏図鑑では外側から4-5-5-6mm最大幅、です。そしてオオジシギでは4-6mm、小林図鑑では外から5-7-8-10mmです。始めは最大幅とか先端から20mmでの幅など条件を見過ごしていたから海外と国内のデータに違いに疑問があったのですが、現在ではそれが理解できて納得です。このように些細な疑問に回答を下すまでが相当期間悩み二転三転と意見が動いてしまう自分が居たのでした。拘る、尾羽の数値・形状にもこんな経緯がありました。まだまだ理解しているつもりでもある時突然疑問に陥るのでした。自分自身がどんどん納得して行く過程が読者の皆さんに伝わったら最高ですね。つまり相対的ポイント一つから識別すると時にはとんでもないことが起こるのです。相対的ポイントは何点以上積み重ねたら絶対的になるか、これは皆で考えてみましょう。タシギ以外はなかなか結論には到達しないと思いますが、それが出来るバーダーはマイスターですね。



2011,08,16(Tue)
針尾鴫の外側尾羽の形状の拘り

これまでに何度も尾羽・外側尾羽のイラストを描いてみました。細さと色彩については何ら疑問は無いのですが形状の拘りについて書いてみます。針は細いのが必要条件です。図鑑の説明によると羽軸だけで内弁・外弁が極めて狭い・細いという。1-2mmという細さでは爪楊枝が1mmですから1mmではほぼ羽軸だけということになります。生態写真・バンディングではハリオシギの針は確かに細くて先端は羽軸だけのように見えています。つまり1-2mmの外側尾羽は羽軸1mm程度で内弁・外弁に0-1mm幅の内・外弁が付くというのがごく自然な説明ですね。羽軸を含めて内・外弁1-2mm幅、特に2mm幅で均一な平面的外側尾羽というものは極めて理論的過ぎて実在しない。というのが筆者の見解です。もし存在すればそれはチュウジシギ的のものであり、2-4mmのチュウジシギの細い方の例になるという見解です。針尾かそうでないかの見解の分かれ目ということがお分かりでしょうか。





左は先端が羽軸のみで針状外側尾羽です。右側は同幅で先端が丸味を帯びています。つまりハリオシギ・針尾鴫では先端が針ですからこの方が適切な描き方となります。右は2mm幅ですがこれは寧ろチュウジシギ的な外側尾羽という見方が正しい思います。横に描いた先端部が尖っているだけではなくその手前から羽軸だけという例です。1mm,2mmの太さを実感して貰えれば分かります。三番目の1-2mmという記載の針尾がもっともらしい例です。羽軸はほぼ真直ぐに描いていますが左右共に中央尾羽に向かってやや湾曲していてその付け根の部分も曲がっています。
先端部はほぼ羽軸だけ1ミリ、中ほどが内弁と外弁で2ミリ程になる。2022.06.06追記。

更に精密に描いて見ました。



羽軸だけの1mmのサイズ、先端には内弁・外弁が極めて狭い・細いものなどを比較してください。
中央尾羽と中間尾羽も併せて比べてみましょう。



2011,08,15(Mon)
ジシギ識別講座・読本・連載を終えて

タシギ識別の事を知り尽くせば他は容易いなどと公言してしまいました。確かにタシギを完璧なまで知り尽くせば怖いもの無しなんです。そして尾羽以外では識別ポイントを積み重ねてやっぱりそういう結論に到達するというのがベストですね。尾羽だって誰もが見間違うほど御妙な個体が居るのです。そうしたら観察していたバーダーの結論が最も正しいと見なすのが普通の事です。明らかにミスが分かっている場合にはこの限りではありません、念のため。ジシギは何でも有りだから怖いのです。自分自身はこうだ、と思い込んでいるとある日とんでも無い個体に遭遇することが稀にあるのです。そんな時はこれまでの積み上げてきたものがガラガラと音を立てて崩れさるのです。そして又、一からで直すことになるのです。それがジシギ識別との付き合い方でもあるのです。そんな事を思いながら又又、尾羽のイラストです。




ほぼ実物大の中央尾羽です。タシギ・ハリオ・チュウジシギは幅は同等ですが尾長が異なるので大きさが明らかですね。オオジシギは幅も長さも断然大きいのです。中央尾羽の羽軸の付け根もやや歪曲しています。初列・次列なども左右で異なる対をなしていま
す。



こちらは外側尾羽の全てのものです。ハリオシギは先端が針状に見えるほどに羽軸だけのようにほぼ同長ですがハリオシギでは外側ほど少し短くなります。誇張して描いています。オオジシギでは外側三枚が淡色で黒帯があり段階的に外側が細くなります。敢えてグラフにてイラストしてみました。対比が御理解頂けましたか。尾羽の羽軸の付け根は非対象で左右一対になります。つまり尾羽は通常閉じていて意識的に開かなければ広がらない構造になっています。

2011,08,14
ジシギ識別を他人に伝え得る難しさ

ハリオシギとチュウジシギの尾羽の見かたを他人に分かり易く伝えることは図鑑的説明では必須なんです。言葉の説明、文字の説明も大切ですが図解の説明は一番納得し易いのではないでしょうか。そんなことからイラストにしてみました。
段差




左はチュウジシギの尾羽の重なりを横からと上横から見たところです。右はハリオシギです。尾羽は中央尾羽一枚(二枚もある)と中央尾羽・外側尾羽からなります。チュウジシギでは、中央・1枚、中間尾羽3枚、外側尾羽6枚、合計20枚の個体としました。ハリオシギは中央・1枚、中間・5枚、外側・7枚、合計26枚の個体とします。外側尾羽は6枚と7枚ですが形・長さがそれぞれ異なるのです。チユウジでは幅2-4mm(SHORE BIRDS)清棲図鑑では3-5mmです。長さは中央から外側までほぼ同じですが、ちょっと短くなる程度です。ハリオシギでは1-2mmで針状で外側は中央尾羽よりもかなり短いのです。チュウジはちょっとの尾羽の伸び・広げでも簡単に外側尾羽が観えてしまうのです。ところがハリオシギは外側尾羽は中央尾羽の下に隠れていて本気で尾羽全開モードにしなければ見ることはできません。もし広げてもそれはほんの一瞬の事です。その瞬間を待ち、その時には動画、静止画・連写で記録してみましょう。真横断面図の通り中央尾羽から外側尾羽の長さの差異はチュウジシギは殆ど無い、ハリオシギでは顕著ということです。これを勾配があるとか少ない、又
段差がある無いという表現で言い表しているのです。ジシギを見つけても逃げる隠れるでなかなかこれはと思うジシギを見つけても最終的な尾羽・外側尾羽を観るのは相当な根気が要るのです。中にはとても愛想の良い個体もいるのですからそういう個体に出会える楽しみもあるのです。このころから既に段差に気が付いていた。2022.06.06追記。

2011,08,10
不思議に思うこと

猛暑で何もする気がしない、でも早寝早起きだけはできている。朝に夕にSHORE BIRDSをIC辞書を片手に四苦八苦しながらふーーーん、そうかーーーなど一人で呟くながら納得している。そしてオオジシギのことについていろいろと調べてみた。帯広畜産大学の藤巻先生がいろいろと調査されているのが検索で分かった。これはサロベツ原生花園でのバーダーからの一言でした。その名称で検索すると膨大な文献集がでてきた。まだまだほんの一部だが面白い知見が得られたので述べてみたい。オオジシギの渡りに関する不思議である。北海道苫小牧夕張原野はオオジシギの繁殖地であるのと秋の渡りの中継地点であるという報告がある。調査は当然のことバンディング標識調査であり、更には踏査による昼と夜の調査である。昼間○○川河口の湿地である。昼間にオオジシギの姿を観る事は殆ど無いのである。全く居ないという事では無く草地に隠れて見つけられないというのである。夜にはそれなりの数が観察される。声とかも含まれている。昼間に草地を踏査して追い出すことでネットにかかる当然自然に飛んでかかることも稀にはあるらしい。そこでSHORE BIRDSなどにはオオジシギは夜間に集団で採餌する。という記載がありあまり信じられないことでもあった。あの繁殖地での派手なディスプレイフライトなどからは全く想像も出来ないのである。繁殖期を過ぎたオオジシギは極端に警戒心が強くて、他のタシギ、ハリオシギ、チュウジシギなどのように昼間に餌を採るのは稀なことなのではと感じるようになったのです。極めて警戒心が強くて人目に触れない草地での隠密行動が観察数を減らす要因と考えれば北海道ですらそのような夜行性的活動なら本州から沖縄に到達する時期には更に隠密性が増していると考えるのはごく自然の事では無いのでしょうか。オオジシギ1羽が見えたらその周辺には何倍ものオオジシギが隠れていると思えるのである。沖縄ではオオジシギの観察例は確かに少ないと感じている。それは以上の理由であり、更にはチュウジシギと誤認されていることも一つの理由かも知れない。沖縄で撮影されたジシギがこれはオオジシギでしょうかというクエスチョンに対して直ちにノーのアンサーが出てしまうほどチュウジシギにそっくりささんなのです。こうなればもう最終手段の尾羽のチェックでしか断定不可能なのです。俺のオオジシギ・渡りは正真正銘の沖縄通過の個体です。尾羽もしっかり外側尾羽を写しているのでご覧ください。兎に角沖縄で観るオオジシギは声と飛び出ししか即断できないのです。地面にいるのを見つけても最終チェックを済まさなければ不可なんですから。少ないけれど観察されるというのが俺の今の感想です。8月に入ると幼鳥も換羽を始めているからその換羽のスピードにも驚かされるのです。

 Golden Snip Gallinago Aurume キンジシギ 黄金地鴫
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