タシギ
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Birdopia Gallinavi

田鴫 Gallinago gallinago  Common Snipe
by HappyChappy
2022.05.16renewal

 はじめに

鳥の部位の名称を予め理解の上お読みください。図鑑の解説には必ず掲載してあります。シギ・チドリなどの図鑑の解説書が参考になります。

図鑑的な説明・解説だけでは無くフイールド観察経験から得られた知見を重点的に書き込んで読む図鑑から見るだけでも初心者にも分かり易く更にはマニアックなジシギウォッチャーにもなるほどと思うような構成でチャレンジしたいと思いながら纏めました。

 

ジシギの識別ポイントはいろいろあるが、決定的な識別ポイントはタシギ以外では尾羽が最終的なものである。タシギでも尾羽が決め手である事には変わらないが、タシギではそれ以外にもある。

その絶対的識別点は

@ 翼下面が明るい淡色で白っぽく見える。
A 次列風切り後縁の白帯が明瞭である。
B 尾羽は通常14枚(12-18枚)で最外側の尾羽は白地・淡色に黒帯が入り全体は白っぽく明るくみえる。尾羽の幅は中央尾羽から外側尾羽までほぼ等幅である。
つまり、幅の変化は分からない程度である。

上の三点以外は相対的でもあるので敢えて補助的手段として絶対的ポイントが確認不可の場合に種を予想する場合にすると良いでしょう。これは使用しない方が良いということでは無くあくまでも三点以外を優先すると時としてとんでもない種にたどり着いてしまうことがあるので要注意というアドバイスである。
ジシギを始めるには先ずタシギをよく知ることから始まります。

以下の画像は3月沖縄本島


 @ 翼下面が明るく白っぽく見える。羽ばたき、伸び、羽繕いなどの行動で観られる。

 @ 翼下面が明るく白っぽく見える

 @ 翼下面が明るく白っぽく見える

 A 次列風切り後縁の白帯が明瞭である。飛翔時には明確に目立つ。飛び立ちは目で追い更には双眼鏡で追ってみましょう。確認が大事です。見えればほぼタシギです。

 A 次列風切り後縁の白帯が明瞭である。


 A 次列風切り後縁の白帯が明瞭ある


 B 尾羽は通常14枚(12-18枚)で最外側の尾羽は白地・淡色に黒帯が入り全体は白っぽく明るくみえる。  尾羽の幅は中央尾羽から外側尾羽までほぼ等幅である。段差はほぼ観られない。真っ黒い部分が中央尾羽T-1です、真ん中。最外側尾羽T-7です。

14枚が確認できます。


 

B 尾羽は通常14枚(12-18枚)で最外側の尾羽は白地・淡色に黒帯が入り全体は白っぽく明るくみえる。  尾羽の幅は中央尾羽から外側尾羽までほぼ等幅である。


T-1からT-7まで確認できます。T-7は最外側尾羽で淡色且つほぼ全ては等幅です。段差は殆ど無い。

 遠くからの観察でも尾羽は等幅であることが分かります。

 腋羽は白地に黒帯、白地の幅>黒帯で、白っぽく見えるのが普通です。

幼鳥・幼羽、真横からだと上列肩羽がそれらしく見えてしまうので要注意肩羽の羽縁は白く細いのは全てのジシギに共通です。

 

背中が見えるような観察では完全な幼羽であると見えますが、羽縁の白く細い個体も居るので要注意です。

画像は別種gallinago delicata風の個体です。羽縁は白く細め、翼下面は暗色、次列後縁白帯は目立たない、尾羽は18枚。雨覆いは換羽済の冬羽です。褐色味が少ないのもdelicataの特徴です。国内での正式記録は無い。
2023.06.10追記しました。このような個体は何度も撮影しているので幼鳥幼羽と識別することが多いのです。他の観察者でも撮影されている。

 

幼鳥・幼羽から第一回目の冬羽に換羽の途中です。上列肩羽から換羽が始まり順次
進む。細く白い羽縁の幼羽が残り進行途中であることが分かります。

 ほぼ冬羽に換羽している


   赤味の強い個体冬羽

画像は3月沖縄本島


 肩羽の羽縁のバフ色は白いものからゴールドメタリック的なものまで様々いる。

 

この個体はゴールドメタリック的な羽縁です。赤味の強い個体に多く観られる。

 

 バフ色の変化、白と黄褐色など入り混じる、換羽進行中。

 集団越冬するタシギ。こんな風景はなかなか観られなくなりました。

 小さいサイズのタシギです。通称・コタシギ、小タシギと呼んでいます。小さいのが分かりますか。

柔らかい泥地を好んで餌場とします。

 
 食後の休憩は畦道の上で・・・・、こんな風景を求めて旅を続ける・・・・・ タガラシの花が咲く。

肩羽の羽縁、内弁・外弁が分かりますか確認できればほぼタシギです。

 
 嘴の基部が太い個体です。稀にはこのような個体をみることがある。


 このように嘴の基部の太い個体は時折観察されます。短めになると・・・・・迷います
肩羽羽縁、過眼線・目先線、嘴の長さなど。


 こちらが標準的な嘴で基部から先端まで一様で長い個体です。

腋羽の白対黒帯=白地>黒帯で明るく白っぽい個体がある。

 図鑑的標準個体

 関東の都市公園で越冬する愛想の良い個体、冬羽です。

2010,01神奈川県

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白化個体です。舳倉島と沖縄本島で二個体観察しています。

春と秋三度観察・沖縄県とても警戒心は強かった。

 
 畦の上で餌を探しているタシギが居ました。幸運にも太いミミズが飛び出しました。くわえたのですが食べなれないせいでしようか何度も何度も落としてはくわえ直しやっと飲み込むことができました。やはり水中で細くて小さなイトミミズを食べるのが番得意技の様子でした。こんな微笑ましい光景を観察しているとソーキそばを箸で食べている毎日なのにイタリアンレストランでパスタをナイフとフォークで食べているような食べなれない光景を思い浮かべています。2008,11,2

図鑑には無い解説ということで一般的なことは市販の図鑑にお任せしました。基本は図鑑を読んでも理解できない時にはGallinaviを読んでください。多くの画像でいろいろな個体を紹介しています。肩羽の羽縁の太さ・広さ、細さ・狭さについての画像はタシギ・幼羽・成鳥羽に掲載しました。参考例を見てください。このように図鑑では分かりにくい個体が居るということを覚えておくとフイールドで役立ちます。
肩羽の太い・細いは年齢によるものか個体差によるものか筆者の結論には至っていません。いろいろな季節ごとの画像からそれらがまとまるとよいのではないかと考えているのです。多分、年齢によるものと推定しているのです。幼羽から・第一回目冬羽への移行は完全に完了しない個体が居る。つまり年が明けた翌年の春三月の沖縄には一部幼羽と思われる細く・白い羽縁の肩羽の個体が観察される。これらの個体は第一回目の夏羽・繁殖羽に換羽するとここで初めて完全換羽の個体になる。この際の肩羽は太い・細いは分からないが、この個体が秋に渡来した時は多分太い羽縁の所謂標準的なタシギの羽衣になっていると思われる。つまり第二回目の冬には上列肩羽の羽縁は太くなり、下列肩羽は換羽中で脱落している事が多いのである。最近は早生まれ、遅生まれを考えると理解し易いです。
2011,12,10全面改訂しました。2012,09,02一部改訂しました。

基本的な識別点も良く理解・その種の特徴を示す・傾向・することから始まります。
基本を大切に。

 
  Golden Snipe  GaIIinago Aurumキンジシギ 金地鴫
2022.05.16renewlal
 

by HappyChappy

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