ジシギの餌場の環境

©Birdopia2013 by HappyChappy 2013,01,17

ジシギの特集や野鳥図鑑に生息場所・生息環境は湿地とその周辺というのが一般的
に書かれていることが多い。生息場所とは繁殖地、渡りの移動途中、越冬地に区別し
て考えられます。オオジシギでは渡りの移動途中と繁殖地が該当する。その他のジシ
ギでは移動途中、越冬地が該当する。

オオジシギはオオストラリアで越冬して春四月には移動を始める。春には最西端の島、
与那国島では水稲の田植えが始まっている。つまり水田は湿田になっている。牧場は
青々と芝が生え畑地はサトウキビの植え付けが始まる。オオジシギは湿田や牧草地で
餌を捕りながら繁殖地の本州、北海道に向かって北上する。四月下旬には本州、関東
でも乾燥田から湿田に変わり始める頃でもある。早いオオジシギは四月上旬には関東
でも観察され始める。繁殖地ではGW前後が初囀りの便りが多く観られる。繁殖に入る
時期は関東でも北海道でもほぼ同じ時期である。SHOREBIRDSでは四月下旬から八月
が繁殖期となっている。
渡りの時期には畑地、湿田、などいろいろな場所で観察されるが草地で地中が程良く
湿り気のある肥えた地ならミミズや甲虫の幼虫の捕食が可能だからそれらを利用して
いると考えられる。
繁殖地はどうだろうか、五月上旬の戦場ヶ原は全くの枯れ野である。しかし、凍結はし
ていないのが条件であろう。凍結していれば地中の生物の活動は制限されるから。
やがて、枯れ野は草花木が芽生え始める。虫たちも動き始めるのである。そして縄張
り宣言のデイスプレイフライトが始まり、ペアリング、子育てが八月まで続く。
繁殖が終わり早い成鳥は七月の上旬には関東地区を南下し始める。急いで南下する
のかと思っていると、以外にも数日から一週間も同地区に滞在している。というような
観察例の報告もある。この時期の関東地区は未だ湿田が多く水田とその周辺はオオ
ジシギの大事な餌場所になっている。
オオストラリアの越冬地では湿地で夜間に集団で餌を捕ると解説されている。勿論、一
般的なことで単独で湿地昼間餌を捕る画像もあるのでその限りでは無いと思われます。
北海道の道東の繁殖地は原生花園とその周辺が繁殖地ですが原生花園でも湿地が
付近で見られ、水溜りは水浴にかなりの頻度で利用されているのが観察されます。
野付け半島、サロベツ原生花園、小清水原生花園などは草原と湿地が入り組んだ環
境になっているのです。水場は餌場所だけでは無く羽毛の手入れなど欠かせないので
す。奥日光でも乾燥化が進んでいると言われているが、ヤチボウズなどか生える湿地
が少しは残っているのです。

タシギ、チュウジシギ、ハリオシギは渡りの移動途中、越冬地が該当する。タシギは
全国的に越冬するが降雪地でも越冬する。チュウジシギとハリオシギは南西諸島で
少数が越冬している。特に珍しいという数では無く相当数が越冬していると感じる。

タシギの繁殖期は四月から九月となっている。早い幼鳥は八月には本州に南下して
来る。遅い個体は年が明けても幼羽が相当残る第一回目の冬羽が観察される。これ
は沖縄の三月から四月に観察される。通常は春には部分換羽して夏羽・繁殖羽にな
り、或いはなりながら繁殖地に向かうのです。
餌場所は水のある柔らかな泥地が基本ですが三面舗装の水路の中でもイトミミズを
捕食している。生活排水溝はイトミミズの好む環境でタシギはその事を良く知っている。
タシギは水の無い畔や草地や休耕田などでも観察されることがあります。嘴を草地に
表面だけ、地中には食い込まない程度でチョンチョンチョンと突くことがある。それで
も何かしら捕食している。地表近くに生息する幼虫や時には太いミミズが捕食される
こともあります。しかし、これらの行動は全体の生活のほんの一部分なのです。
長時間、長日数の観察によりそれらが良く見えてくるのです。

ハリオシギ、チユウジシギ、オオジシギは餌場所が基本的には類似している。そこで
解説書によっては比較的乾燥した場所にも居る。と解説されていることがある。
それは表面的に草地が乾燥しているように見える、という解釈が妥当と思います。
決して表面、地中が乾燥している場所には太いミミズなどは生息不可能ですから。
つまり、比較的乾燥した場所、の説明をする為のいろいろな説明をした。という事です。
ミミズが餌の全てでは有りませんが、主食であろうと考えられます。観察中に見える
餌の殆どはミミズです。勿論、見えない、不明な餌も相当捕食されている。ということは
解説書では記載されているから。

ハリオシギ、チュウジシギ、オオジシギは水は嫌いか?
タシギだけが水のある泥地を利用するのではありません。タシギは主たる餌場ですが
その他のジシギも同様に水のある泥地や畔の側面を好んで利用するのです。
水のある場所だからタシギ、水の無い一見して乾燥しているように見える場所だから
タシギ以外だと思う事は全くの見当外れです。

アオシギは11月に入ると山間部の渓流とその周辺の湿地に生息している。越冬の為
に北海道、本州から稀には南西諸島まで渡る。三月末まで滞在し繁殖地に移動する。


つまり、ジシギは湿地が基本ではあるが、それだけでは無い。ということを理解しましょ
う。餌を考えると、ミミズ、ミミズは大小いろいろと生息場所が異なる。

タシギは水中のイトミミズ、その他は湿地の畔で太いミミズ、アオシギは落ち葉の溜まる
渓流周辺の湿地で水棲生物を捕る。のが一般的傾向です。
ジシギは何処にでも居て、しかし、一時的か否かはその場所、その時期で分かると思う。

兎に角、移動中のジシギはエネルギーの蛋白質なら口に入るものなら殆どの幼虫を
食べるのではないでしょうか。


ハリオシギ、チュウジシギの繁殖期は5-8月、アオシギは5月以前である。タシギが最も
繁殖期間が長いので幼鳥の羽毛の換羽にかなりの個体差が見られる。


by HappyChappy 2013,01,14祝成人の日・爆弾低気圧で首都圏大雪の一日でした。

乾いた畔で休むタシギです。餌場所は隣の水のある泥地です。

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