2013年春の沖縄本島
(C)Birdopia Gallinavi 2014 by HappyChappy

2013,03,09-11〜04,25-27一ヵ月半
沖縄本島・中北部越冬及び春の渡り
by HappyChappy
2013,06,23

2022.05.29 renewal

 

ジシギたちの第一回目の冬羽の換羽完了時の個体と成鳥冬羽の個体とは見分けられない程に完了していた。幼羽の痕跡はほぼ見つけられないので1Wとad,Wはお手上げでした。それでもなんとかWの完成形の換羽状態が分かったのは収穫でした。俺の場合は幼羽の痕跡が微かに残る個体が1Wのほぼ完了形ということです。夏羽、冬羽で議論し始めたからこのまま続けます。タシギでは夏羽は体全体が明るい輝きを持つ個体が多いので分かり易いのです。しかし、タシギ以外のハリオシギ、チュウジシギ、オオジシギでは夏羽とは言え特別に明るくなる、輝きを増すという印象は少ないのです。あくまでも俺の感じる印象です。例えばタシギの幼鳥・幼羽から第一回目冬羽でも、或いはオオジシギの夏羽から冬羽への換羽、冬羽から夏羽への換羽完了形の見た目には大差は認められない、感じられない程度の差異と思うようになった。この辺はちょっとしたことでも表現により誤解を生じやすいと思います。前記のオオジシギの夏羽から冬羽への換羽。そして冬羽から夏羽への換羽。これらの冬の換羽完了形と夏の換羽完了形には大差が見られない。と言うのが今の見解です。共にフレッシュな羽衣での比較です。夏羽から冬羽へ、冬羽から夏羽へと共に摩耗、退色、脱落などの経時変化があり、それぞれの後期・末期から新鮮な・フレッシュな羽衣に更新されるのでこれまた見違えるようになる。夏羽の後期・末期のオオジシギは摩耗、退色、脱落している。それが繁殖期の後期・末期には肩羽から換羽が始まる。これは生まれ変わったように変身する。夏羽も冬羽も換羽完了した直後が羽衣は最も整っていて美しい。それからは経時変化(日数、月数)により退色、変色、脱落、摩耗が進行して行く。ほぼ半年毎に換羽が続く事になる。タシギを想像するから、同様に他のハリオ、チュウジ、オオジの夏羽は派手な明るく輝くというように考えたのが、全くの誤りでした。タシギは例外的であり、寧ろ、他のジシギは夏羽も冬羽も実際には大差無い。小さな差異は有る?夏羽は全体的に淡色系・明るくて冬羽は濃色系・地味というのも個体差、地域差に収斂してしまうのかもしれない。自分自身で確かめた冬羽と夏羽の印象の違いはタシギだけは別もので、他は同様な換羽をする。という結論に至りました。タシギ幼羽→第一回目冬羽→第一回目夏羽→第二回目冬羽、ここで完全換羽になる。以降、夏羽は明るく艶やになるが冬羽では地味な色彩、淡色になる。他のジシギではジシギ幼羽→第一回目冬羽→第一回目夏羽→第二回目冬羽、ここで完全換羽になる。以降、夏羽≒≒≒冬羽どちらも換羽完了時点の比較。完全換羽の反対に部分換羽とは冬羽から夏羽への換羽は一部の羽毛のみが換羽する。風切り、尾羽などは換羽せず、完全換羽時に全てが換羽する。しかし、以上は生理的現象による定期換羽で、事故などにより脱落などの場合
には換羽、生え変わることになる。春に換羽、尾羽や風切りなどしている個体を何度も観察している。

 三月中上旬


 


タシギ冬羽の摩耗が進んでいる。左右ともに同様な羽衣が観られる。雨覆いは1W第1回目冬羽かAd,W成鳥冬かは不明です。

 四月中下旬

明らかに渡来個体です。特別に摩耗が激しく無いので夏羽に換羽した個体と思います。


夏羽のハリオシギ、2022.05.29追記

 四月中下旬

上のハリオシギと行動を共にしていた。この個体も摩耗が少なく、夏羽に換羽した
ところです。この状態が最も羽衣が整い美しい時期です。
チュウジシギ夏羽、2022.05.29追記


 四月上下旬


タシギの夏羽です。上のタシギと比べて明るく艶やかに見えます。このような個体は関東でも四月から五月上旬頃に観察されます。夏羽のタシギです。頭側線内の明るい褐色斑点が目立つ。図鑑的な夏羽のモデルです。


 四月下上旬

 タシギの夏羽へ換羽したと思われる。肩羽、雨覆い全てがフレッシュです。尾羽は冬羽への換羽時のままですが摩耗、退色など少ないように感じます。つまり、綺麗ですね。これが繁殖期・夏羽が後期・末期になるとボロボロに擦り切れるのです。尾羽も年に一度だけ換羽、完全換羽時、(冬から夏へ)します。

上の画像は尾羽、下の、この画像は肩羽、雨覆いなど分かり易い。雨覆羽縁がフレッシュで褐色のバフ色です。摩耗すると白、フレッシュなら褐色というのは何かのヒントでしょうか?勿論、タシギの場合です。この個体が繁殖期の後期・末期には退色、摩耗して羽縁のバフ色は褐色から汚れた白色に変化しているのでは、と想像されるのです。

 三月下中旬=03,24

タシギ冬羽、後期・末期です。雨覆羽縁のフレッシュ→後期・末期は退色、摩耗でバフ色は次第に白色系のバフ色(汚れた白色)になる。というのが現在の考えです。つまり、タシギの夏羽では雨覆羽縁は褐色のバフ色です。これが繁殖期後期・末期には果して羽縁はどうなっているか、それは白色系バフ色と容易に想像できます。直ぐ上の画像参照してください。色の変化と摩耗、脱落などいろいろな情報を重ねていけば、換羽直後=フレッシュ次第に退色、摩耗、脱落して後期・末期に至る。他のジシギでは羽縁の色の変化は難しいが摩耗、脱落及び肩羽のフレッシュさを合わせてその換羽がどの状態かを推定することは出来るかも知れません。しかし、初めから羽縁が白い個体が居るので要注意です。褐色の羽縁が退色摩耗で白化することはあると思います。2022.05.29追




三月下中旬

ハリオシギ、複数で三月から四月まで全く同じ場所で観察された。つまり、これらは越冬個体と思われます。観られるのは朝夕、暗いうち。雨の後、人気の少ない時間帯でした。かなり、警戒心が強いのです。しかし、芋田んぼに作業者が入っても危険が近い、と感じなければその周辺で採餌していた。農作業者は天敵では無いと認識しているようだ。何時も暗い、濡れているので羽衣は分かりにくい、これは未だ冬羽と思われる。農道だが車の通りは多いが、車は警戒せず、人やカラス、サシバなどを警戒する。二羽が同時に行動していた。今でもハッキリと覚えている。2022.05.29追記。

 三月下中旬

チュウジシギ、一見して色彩から見誤りました。連続画像に証拠がありました。ハリオシギです。未だ色彩の第一印象に頼ることも多いのでついつい、でした。春の渡りで渡来したと思われる個体です。羽衣は整っているので夏羽に換羽が済んでいると思われる。渡りの移動は速く、滞在日数は極めて少ないのが普通です。北への旅を急ぐようです。濃色・暗色系のハリオシギの夏羽は珍しいコレクションの一枚になります。

 三月下中旬

ハリオシギ、春の渡りで渡来したと思われる個体です。夏羽に換羽している。渡りの個体は夏羽に換羽しているのが多いと感じる。上の個体と同一ですが姿勢からも印象は異なる。



 

ハリオシギ越冬個体、長期滞在していた。四月下旬も滞在中。冬羽から換羽中。尾羽も換羽中。通常尾羽は夏羽から冬羽へ完全換羽で行われる。この個体は事故でしょうか?



 三月下下旬

ハリオシギ、春の渡りの個体で夏羽と思われる。


 四月上下旬

ハリオシギと行動を共にしていたチュウジシギの夏羽。春の渡りで渡来した個体。



 四月中中旬

チュウジシギ夏羽。ハリオシギと行動を共にしていた。滞在日数は短く1-2日程度。



 2009,10上・上旬

ハリオシギ冬羽です。夏羽との比較の為、載せました。肩羽、雨覆は換羽済み、尾羽は進行中かも知れません。この個体は多分成鳥の筈です。外側尾羽が観えます。2022.05.29追記。

2009,10下・下旬

ハリオシギ冬羽ですが、1Wかad,Wかは不明です。ジシギたちは繁殖期の後期・末期には換羽が始まる、オオジシギでは顕著です。渡りの最盛期には肩羽が既に換羽済みと言う個体も多く観察されるのです。

 目  安
01-09=上旬、01-03上上、04-06上中、07-09上下旬
10-19=中旬、10-13=中上、14-16中中、17-19中下、
20---=下旬、20-23=下上、24-26下中、27---下下
 越冬と春の渡り、観察後記

換羽は通常、夏から冬、冬から夏、の二回行われる。それらは個体差と地域差が明らかに有ることが分かる。個体差とは特に孵化と幼鳥の時期、地域差とは繁殖地、越冬地の相違から季節が変化しても換羽の早い個体、遅い個体が明らかにいる。顕著な例は幼鳥・幼羽から第一回目冬羽への移行の時期です。タシギの繁殖期は4-8月になっている。早いのと遅いものの時間差・日数・月数でも相当な開きがあるのは観察例からも周知の事実です。そのまま、第一回夏羽への換羽も、第二回目の冬羽への換羽もそれなりの時間差はあると考えるのが普通です。しかし、一年後からはどうでしょうか、早い、遅いはずっと狭まるのではないかとも思います。これは推定の範囲です。換羽だけでもいろいろな不思議なことがあるのです。自問自答しながらの観察で少しずつ納得できるようになりました。更に、フイールドワークを続けて行きたいと思います。次回の観察は第一回目冬羽が多く観察される11-12月が適当な時期と思っている。by HappyChappy2013,06,22

  Golden SnipeGallinago Aurum キンジシギ 黄金地鴫
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