タシギの渡り・移動から定着・越冬への変化を観る

小さな変化から色々なことが分ってくる。
 Birdopia Gallinavi 2021.10.16

2022.06.11renewal

 Golden Snipe Gallinago Aurum キンジシギ 黄金地鴫
 季は真面目に8月に入ると田んぼを歩くようにした。当地(埼玉県東南部江戸川流域水田地帯)ではオオジシギの秋の渡りを観察したことが無い。以前には利根川流域の水田地帯まで早朝暗いうちから出かけていた。そこでは成鳥の冬羽、幼鳥・幼羽を観察している。従って当地でのオオジシギの良い結果はほぼゼロの状態でした。今季は8月に入り数個体のオオジシギを観察した、幼鳥から第一回目冬羽に換羽中の個体が多かった。9月に入るとチュウジシギが観られるようになり、フイールド内には最大5-6個体が観察されるようになった。次第にタシギが増えてきた、そしてチュウジシギの数を上回った。下旬に入るとタシギだけになった。タシギは天候の状態にもよるが雨の後に数を増すことが多かった。晴天が続くと刈田は乾燥し、湿田の場所が狭くなる。そんな時は刈田の湿田に10-20羽が集団で居る。そして観察ではほぼ飛んでからの確認になる。10羽以上が飛ぶと、その場所には居残りのタシギが1-2羽が見つかることが多い。しかし、大抵は遠いのが普通です。近すぎるとほぼ100パーセント飛んでしまう。渡りの時季、飛び立つタシギ、単独から複数個体は旋回しながら高度を上げる。フイールド内を旋回して空に消えて行く。フイールドに戻るのは稀である。今季はタシギの飛翔を撮りたいと思い、9月の一か月間はデジイチ300ミリで挑戦してみた。タシギが飛び立ち高度を上げて空抜けになるとAFCが適正に追尾する。しかし、背景が屋敷林や家屋などになるとピンは鳥・タシギでは無くバックにピンが合う。そこで曇天ではあまり面白くは無いので晴天の日はデジイチとして、曇天ならスーパーズーム3000ミリを持参した。この時季秋雨前線が停滞して曇天が多い、タシギも多い、青空飛翔のチャンスは極めて少ない。当地でのタシギの個体数のピークは9月中・下旬頃になる。この時季にタシギの飛翔形態が変化する。つまりフイールド内で飛び立つタシギたちは日増しに高高度旋回が少なくなり、低空でフールド内の移動になる。極端な場合には同一田んぼ内の移動などが観られるが、大抵は少し離れた仲間の居る湿田の二番穂の中に降りることが多くなる。かなりの至近距離なら再度飛翔をチャレンジしてみたいと思う。飛び立つ複数の個体の一羽がジェーッと長めの声で鳴く、すると別個体は即応えて、ジッと短めに応えるのが分かる。情報のやりとりをしているのだと思う。毎日、少しずつの変化からこのような変化が解るようになった。10月に入ると個体数は10前後で、コンバインの作業や湿田の情況で一か所に集団で観られたり、或いは2-3か所分散したりで、いろいろな条件で変化している。今季は湿田が続いているので10月中旬でも未だ田んぼに留まっている。水路には一羽も入らない。何れ乾期が続けば田んぼは乾田化する。そうすれば小さな水路、中くらいな水路に分散して行く。やはり餌が少ないので集団で採食するのは稀になる。多くても2羽か稀には3羽の小集団が観られることがある。10月までに観察された個体はやはり幼鳥が多い。幼鳥幼羽ではあるが新鮮な個体の羽毛は未だ輝いている。これから時間が経過すると第一回目の冬羽へと進行するが、これからがどんどん換羽が遅くなるように感じる。今日もタシギが二個体で飛び立つ、かなりの高高度で旋回する曇天では眼を離したらもう見つけることは不可能である。双眼鏡で追う、フイールド内を旋回している、高度を下げたので降りると思ったら、突然に上昇する、仲間が見つからないのか、天敵でも居たのか、はたまた安全の確認が不十分なのかは分からない。旋回して刈田下りた。フイールドの全体を見回っているのかのように感じた光景です。今日は全く静かなフイールドです。ノビタキがふわふわふわふわち舞い稲穂の上を飛び回っている。昨日偶然に刈田の二番穂の中で休む個体を見つけた。今日も覗いたら全く同じ所で休む個体が居た完全にカムフラージュして安心している。周りからは何羽かが飛び立った。ここは餌場ではなく休憩所だ。もう二三日は楽しめそうだが草被りでタシギの全体は見えていない。
 

愛想の良いタシギです。連続5日間会っている。越冬してくれると嬉しいのだが・・・・・成鳥の冬羽です。ニアミスで一度だけ飛ばれてしまった。適度な距離感ではペンギン立ちでこちらを見ている。学習して危険ではないと覚えればこれからが
楽しくなります。

 

 

タシギは水の残る湿田で採食するが休むときは水が無くても隠れる草などがあれば最高です。乾期が続くと乾田化が進む水のある水路に分散して採食することが多くなる。さて今季の冬はどんな事が起こるのでしょうか。

10月はアカトンボのシーズンです。あちこちで連結産卵するアカトンボが沢山観られます。晴天の日は青空に群れ飛ぶアカトンボがとても綺麗です。


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