黄 金 地 鴫 随 筆 集 そのⅠ
きんじしぎ
Golden Snipe Gallinago Aurum

2022.08.23処暑Birdopia2022
20230512間もなく小満スズメ巣立つ

2024.04.23加筆訂正

バードウォッチングを通じてジシギの観察から得られた情報を簡単にまとめてみました。アイデアが浮かんでまとまり次第物語風にしてみたいと思います。暇があるとスマフォのメモ帳でいろいろと書いてます。

二十四節気自然観察記を始める

第一話 1二十四節気 小寒 01.06金曜日

正月松の内も明けない6日は小寒です。松の内は道路工事も再開せず静かです。スーパーには七草粥用の小さな籠のセットが売られている。我が家は未だ御節の残りの田作り、ダイコンとニンジンの生酢を食べている。木曜日は金華鯖の押し鮨の日だ。今年の初物を食べた。水路のタシギも定着し始めた。スマホの中継所アンテナはハシブトガラスの営巣場所で縄張りになっている。時折、猛禽類が来る、昨季はハヤブサとオオタカが来た。今季はオオタカ成鳥雄が止まる、田圃の上空を飛び去る姿は雌雄や年齢不詳になる。フィールド内にはチョウゲンボウ、ノスリ、ハイタカ、ツミが河川敷から田圃上空に飛来する。屋敷林で狩った獲物を食べた食痕が残る。コガモ、コサギ、ドバト、キジバト、キジの羽毛が見られた。猛禽類が現れた後は田圃にタゲリが全く観られない。長いと三四日間は不在になる。そんな時はハシボソガラスの天国になる。トラクターの後から付いていくのはカラスとハクセキレイ、今季はタヒバリがかなり多い。反面、ツグミが少ない。厳寒期だが雨が多いから田圃は乾燥せず水路も湿ってタシギは採食に不自由は無い。農道を歩いていると二番穂からタシギが飛び立つ事が多い。肝心の三面コンクリート水路は水が流れてコサギが捕食している。例年なら乾燥していて生活排水が流れ込む所で採食するが、今季は何処でも湿地だから個体数は限られている。早咲きの蝋梅が香っている、我が家も少し遅れて咲き始めた。農家の生垣に白い藪椿が咲いた、屋敷林の藪椿も咲き始めたが本番は三月から。団地の山茶花は見頃を迎えている。秋から赤く実ったピラカンサスはほぼ食べ尽くされた。人通りの多い場所に一部残っている。クロガネモチは大豊作で大木に真っ赤に実る。年が明けてネズミモチはムクドリの大群に食べ尽くされる。我が家は千両は不作、コムラサキシキブは大豊作、ジョウビタキは渡来が遅れた、♀が来た、♂も来た、今は♂が定着した。バードバスがお気に入り。何度か凍結した。雪は未だ降らないが日本海側は大雪、豪雪になった。冬鳥があちこちで観られる。多摩川のヒメハジロや我が地元の江戸川土手はコミミズクで関東のカメラマンが大集合した。何十年か前のハマヒバリを思い出す。カメラマンは当時より多くなった、リアルタイムの情報が瞬時に拡散する。多くは地名を伏せるが一部は開示する。賛否両論あるがこの時代には大集合は嫌われるだろうが、連絡網を持たないビギナーは何処でも行きたいから喉から手が出そうな程情報が溢れている。観たいものを検索すればある。今は全く興味は無い。身近な自然を自分で探して新しい事を発見する。これがどんな珍鳥より素晴らしい事だと今更ながら気がついた。遅過ぎるかも?。実が食べられる順番はピラカンサス、コムラサキシキブ、ネズミモチ、クロガネモチ、ナンテン、千両や万両、キズタ等で最後迄残るのはノバラ、やヘクソカズラなどが遅く迄残る。リュウノヒゲなどレンジャクが食べ尽くす。ヤドリギは春遅く熟すからレンジャクの渡りで食べられる。江戸川河川敷と干潟などではイカルチドリ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ツグミがグランドや周辺で観られる。アオジ、オオジュリンは年毎に個体数は変化する。カワウは常連、ミサゴも河川上空を行き来する。そろそろチョウゲンボウがペアリングを始める。お天気なら青空にディスプレイフライトが見られる。陽だまりには青色のオオイヌノフグリが咲いている。ホトケノザも薄紫の可憐な花を開く。セイヨウタンポポは畔にぽつんと咲く。意外な場所での出会いは感動する。必ずあるから。最も乾燥する季節です。タシギたちは湿地を求めて小さな水路に入るようになる。観察は今が本番です。大水路も泥地を優先的にタシギが隠れられる草地に擬態している。よく観ないと見えないから見逃してしまい、通り過ぎる頃に飛び立ってしまう。

 

第二話 2二十四節気 大寒 01.20  最強寒波

 

水道水が凍るのは氷点下4℃以下、今回は10年に一度の寒波となった。各地は大雪になり、交通障害が多発した。車、電車、飛行機までトラブルが発生した。我が家のバードバスも終日凍結した。このチャンスを見逃す事は無い。凍結とタシギは面白い組み合わせになる。勿論、同一場所で行動するハクセキレイやクサシギも同様である。ハクセキレイは氷上で採食している。いつもの水路を巡回する。全て1日では周りきれないから明日もフィールド内を巡回する。水路は一部を除き凍結した。タシギやクサシギは不凍場所を見つけて採食している。水路は流れの無い場所は凍結し、生活排水が流れ込む三面コンクリート水路は不凍である。流れがあればそこは凍らないからそんな場所は採食場所になる。関東では雪が積る事は少ないが、積雪した田圃は全面真っ白だが、農道や水路など水場は地面がでる事がある、そこにはタゲリやヒバリ、ハクセキレイ等は採食可能である。肉食性のモズはスズメやカワラヒワの群等をしつこく追う。生きる為のいろいろな工夫が見られる、メジロは雪が被る山茶花の蜜を吸う、ヒヨドリは畑で旬が過ぎた野菜の葉や花蕾を食害する。春は未だ先だから生き物全てが全力で生き抜く。間も無く節分、立春を迎えるから。陽射しは益々強くなるから日の長さもどんどん長くなる。タシギたちは今季はフィールド内に5個体居る。少し少ない。水は涸れないから何処にも居るからポイントが定まらない。我が家のクリスマスローズは花芽が膨らみ始めた。蝋梅はあっという間に見頃は過ぎた。チュウリップは葉が出揃った。以前から観たいと思っていた百舌鳥のハヤニエが今日は間近で観察した。団地で業者が植え込みの剪定作業をしていた。百舌鳥は伐採された木立から大きな蜂を捕食した。これは撮影が間に合わず、次いで再度捕食した、近くの木立で食べると思ったら枝に刺した、ハヤニエだ。それから百舌鳥は伐採場所で獲物をさがしていた。いつもの通り道だから食べられるか否か確認したい。小さな感動が又一つ増えた。現役時代のエピソードがある、現役のころに新潟県粟島に春秋と何年も通った。民宿は定宿で学校の裏にあった。おばあちゃんは畑で収穫した小豆を干しては殻を剥がして小豆を収穫する。小豆は殻に虫、小さな芋虫が入っているからそれを選別して芋虫を鋪道に放り投げる、ジョウビタキはそれを覚えていて、おばあちゃんが小豆の選別を始めると側で待っている。小さな島の小さな畠で採れた小豆は多くは無い、皆んなと一緒に粟島に行った帰りに皆んなに一握りの小豆をお土産に頂いた。そんな人たちの島は昭和時代を思い出す。日本各地の離島は数え切れない程でかけたからどれが一番とは言えないが、便が悪い島程、昭和時代が残っていると思う。未だ行ってない島はトカラ列島、見島などがある。最も行きたいのは屋久島かもしれない。もう一つ、ある年の冬に大きくなり過ぎた庭木のコノテカシワを伐採した。隙間が狭いから越冬昆虫が沢山出てくる。主に緑色のカメムシである。ジョウビタキ雄はそれを見つけては次々に捕食した。一度では廃棄できないから一回に枝を12本だけ処理したから何週にもかかり処分した。その間にでたカメムシは彼の為に処理せずに残した事を思いだす。椅子に座り作業していると周りをぴょんぴょん歩きながらカメムシ探すジョウビタキは可愛いかった。カメラを持つと近づけないのは殺気を感じるのかもしれない。彼らにはレンズは天敵の眼のように見えるのかもしれない。農作業と鳥の関わりは田圃の耕作には牛や馬を利用する事が多い。今でも東南アジアの米作地帯では水牛が活躍している。西表島の由布島では水牛車が観光客を楽しませている。先島諸島では牧場に多くの牛が放牧されている。牛の背中に乗ったアマサギの画像に憧れた。与那国島迄マイカーで出かけた。いろいろな思いでがある。楽しい事は多いけれど、そうでも無い事も少しはあったが、すっかり忘れてしまった。良い事や楽しい事は忘れないようだ。貧乏生活だが土地土地の食材は忘れない、カジキマグロの刺身を買って食べた。時には石垣牛のハンバーグ等格安で入手した。忘れられない思いで。炊飯器もいろいろな遍歴がある。ナショナル電器の1.5合炊き、圧力鍋、一人鍋、IH炊飯器、文化鍋、最終的にはナショナル電器製で二度炊き、柔らかめが好きだから標準で炊飯、その後もう一度水を追加して追い炊き。初めから水は増やせない、何故なら吹きこぼれるから。吹きこぼれ防止対策はビニル袋炊飯などチャレンジしたが芯が残る仕上がりで失敗した。やはり手間も監視不用な電器炊飯器が最適、今ならメスティンが人気だ。コロナ禍でソロキャンプが大人気だ、人との接触が少ないゴルフ、ハイキングなどのアウトドアブームだ。俺は昔からソロカーキャンをやっていたが今は卒業している。専らソロ、ウォーキング&ウォッチングで自主トレ、セルフケアの日々の生活。ただ散歩するだけではつまらない、鳥を見て、花を調べて、虫の声に耳を傾ける。そんな散歩は時間はいくらあっても足りないのです。

 
 

話/二十四節気 02.03節分、恵方巻、02.04 立春

 

大寒から節分までの期間は10年来の大寒波が日本列島をすっぽり覆ったから大豪雪をもたらした。同時に野菜は成育遅れで庶民の台所を直撃した。エネルギー価格高騰に更なる家計の負担が増えた。自然界ではいろいろな変化が見られたら。江戸川土手には二ヶ所にコミミズクが出現してカメラマンが100200人が来て賑わった。何十年前のハマヒバリを思い出す。未だ暫くは続きそうだ。蝋梅は終わり、生垣の山茶花も峠を過ぎている。代わって沈丁花が膨らみ始めた。農道の陽だまりにはホトケノザの薄紫の花が咲いている。一方では、オオイヌノフグリは花が小さく未だ目立たない。屋敷林のヤブツバキはちらほら咲き始めた。一重で清楚、可憐なヤブツバキやユキツバキは大好きな花です。我が家の椿は一重で大輪、赤と白に赤のラインが入る。椿の新芽や葉は毛虫が大量に発生するから今は刈り込み花は少ない。庭は無農薬だから自然のままが一番。日本水仙は大豊作でした。次は福寿草が咲き、紅梅が開く、春の庭は花で満開になる。小鳥たちにも変化がある。タヒバリは多く何処の田圃にもいる。タゲリは例年通り、ツグミは極めて少ない、ホオアカは例年通り越冬している。イカルチドリは越冬場所を変えたのか、或いは猛禽類の襲撃か、更なる観察が必要。タシギは秋迄は多く、厳冬期の今は5個体ほど、やや少ない。オオタカの出現が多く、ノスリやチョウゲンボウは少なめ。ハヤブサはゼロ。フィールド内のタシギは5個体は居る。なかなか定着せず、採食の観察が観られず、大物の捕食は一度だけ、ドジョウを捕食して、あっという間に飲み込んだ。側のクサシギは戸惑っていた。久しぶりのふくみ笑いがでた。新たにこの時季に雨覆の変化に疑問があり、よくよく考えたら自然に結論が得られた。早生まれ、遅生まれ、成鳥の冬羽の時季を比較すれば分かり易い。幼鳥幼羽はその時季しか観られないから貴重です。年齢は生まれた年から一年目、年が明けたら2年目だが、月数で数えたらかなりの差があるから個体差があるのは普通です。河川敷の河畔林では百舌鳥の追いかけっこが始まる。いよいよペアリングの始まり。一番早く囀りを始めるのはシジュウカラ、次いでモズ、ムクドリ、カラスと続く。梅が終わり桜の季節になりメジロやヒヨドリは庭には来なくなる。河川敷のその後の観察でもイカルチドリは観察されてない。砂地の干潟は無くなったわけでは無いから別の理由だと思われる。

 

  四話/二十四節気 雨水0219

季節は少しずつ進んでいる。紅梅が過ぎ早咲きの小梅は花芽が膨らみ始めた。赤い山茶花は見頃が峠を越えた、赤いライン入りの白い椿が咲き始めた。福寿草の花芽が伸びて晴れた日には咲き始めた。クリスマスローズの白い花、萼が開いた。発芽が待ち遠しい。幾つでるのか楽しみ。農家の畑で刈り取られたコムラサキシキブの実を拾い集めて庭に置く。ヒヨドリがあっという間に食べ尽くす。ヒヨドリとの知恵比べ。遠慮がちなジョウビタキ雄へのプレゼントだから。土手にはコミミズクのファンが相変わらず多い。JR三郷駅の上下に居るから条件の良い日の日没前は散歩人やカメラマンで賑わっている。次回は風の無い穏やかな夕方に三度目は飛び物を狙ってみる。クラシックなデジイチD500とズームレンズAFS80400f5.6です。未だミラーレスには手が出ない。デジタルは日々進化している。土手は西洋カラシナの花芽が摘み頃です。お浸しは如何ですか、小松菜は100円するから、100200円分なら直ぐにレジ袋に一杯になるよ。今季は特異な冬でしたね。ツグミやカモ類など各地で変化があった。多くなるのは大歓迎だが、年々激減するのが当たり前だから。三日連続で土手のコミミズクに出かけてみたら今日は外したが二羽居た。暖かい日が続いていたが明日から冬に戻るが室内は温室になる。葦原にはアカハラ、オオジュリン、アオジ、カシラダカが見られた。暖かい日が続いたら団地の空き地でキジバトがディスプレイフライトをしていた。パタパタと翼を鳴らしながら翼を広げてスィーっと滑空する。あのパタパタする音を聴かないと猛禽類と見誤りそうな気がする。フィールド内の大外を歩いた、隣り町では昔ながらの用水路は昔ながらの小川です。屋敷林の木々か水路に覆い被さり水路は猛禽類からの襲撃を防止してくれるから湿地の泥地はかなりの高密度でタシギが餌場にしていた。その水路は三面コンクリート水路に工事が続いている。渇水期に工事をするから年末から今頃迄続く。既に何年前から続いている。もう少しで全体的に三面コンクリート水路になる。住み難くなるのは鳥だけでは無い。市の境界は管理が難しいらしい。先に工事をする市と後から工事をするには互いに相談する事等あり得ない。縦割りなんて言う物でも無い。散歩する土手にはセイヨウカラシナ、ノビル、ヨモギ、フキノトウ、クコ等旬を感じる野草がある。フキノトウは天ぷらが一番だが、ほろ苦い味を楽しむならお浸しが良い。ヨモギは草団子や草餅など、経験あり、いまいちなのはツクシ、味付けが悪いのか筋が強くて不味かった、ノビルは寒い時季が柔らかくて香りが強い、クコは新葉を摘んで佃煮、味付けが難しい。実は果実酒。いろいろ楽しみがある。一番食べているのはカラシナの花芽です。散歩途中にレジ袋に摘んでくる。塩を入れて茎が好みの硬さで水に浸す、冷めたら水を切りタッパに保存。毎夜ね前菜です、ポン酢は自家製ゆずかグレープフルーツで作る。擦り胡麻をかけるとレベルアップします。カラシナが菜種となり地面に落下、ネズミが増え、ミミズが増えてモグラが増えると土手に穴を開ける。国交省はそんなネズミ、モグラは天敵になる。その対処として菜の花で刈り取りをしてしまうが全面する訳ではない。ある程度の面積でテストしている。菜の花は以前は四月が満開、今は三月に満開になる。それだけ温暖化は進んでいる。しかし、三月になり寒気団が来てソメイヨシノの花は例年よりかなり遅れた。こんなことは10年ぶりらしい。

 
 

第五話/二十四節気 0306 啓蟄

暖冬なのだろうか最低気温は氷点下でも日中は陽射しがあれば暖かい。畦道や農道でツグミが増えるのは二月に入ってから、目立つのは太いミミズを捕食するシーン。ミミズは大きいから地中から引きづり出す、ミミズはくねくねと抵抗する。しかし地上に出たミミズはもう逃げるのは不可能だ。ツグミは一瞬静止するが次の瞬間には咥えて飲み込んでしまう。あっという間の時間です。飲み込んでも未だ喉の辺りが膨らんでいる。暫くして砂嚢まで送り込まれる。ツグミは満足そうに目をパチクリさせると側に人が居たと気がついてキィキィキィと地鳴きしながら低空で田圃を横切る。オオイヌノフグリは陽だまりに沢山咲いている。ホトケノザも赤紫も畑の土手に目立つようになった。湿地にはナズナが小さな白い花が咲いているが注意して観ないと分からない。いよいよヤブツバキが咲き始めた。一重の赤い花びらはなんとも言えない美しさを感じるのは私だけでは無い。水路にはセグロセキレイのハクセキレイのペアが居た。いよいよ繁殖期になる。明日は土筆を探してみる。黄色い小さなボロギクが真っ盛りで白い綿毛を飛ばしている。旬の味はフキノトウを二度天ぷらで食べた。菜花の蕾はお浸しで擦り胡麻と自家製ポン酢が飽きない味。学校裏の小柄な超警戒心強の個体は採食して居ると警戒は最強、だが満腹で休憩中はモードがやや劣るが一瞬で戻る。こんな行動を見せた。退避方法は飛び去る、走り去る、物陰に隠れる、兎に角人影を感じたら上の行動をする。画像を撮る為に近づけない。予めそこに居ると思いながら構えれば撮れるかもしれない。この三日間暖かいから蝶が飛んだ。モンシロチョウやタテハチョウなどが飛び回って居た。小柄なタシギの年齢を知りたくなり至近距離から順光で撮りたくなった。学校裏東水路で駆け引きが始まった。日向で採食しているが覗いた瞬間に日影に移動してしまう。明らかに自分の見え方を理解しているとしか思えない。人影が感じられたら日影、安心安全なら、日向で採食する。それを理解して駆け引きをするが、今日は俺が根負けした。いつか必ずスキを見せると思う。満腹して休憩中がチャンスだ。一瞬日向で休む時が有れば、と思っている。何度チャレンジできるだろうか。それともタシギの警戒心を攻略するのは不可能なのだろうか。今季は土手のカラシナ摘みかわ多い、三月は食べ頃だから。この二、三日水路にセグロセキレイのペアが居るがとても警戒心が強くて近寄れない。畑のツグミは首を曲げて太陽を見ている。場所を特定しているのか。乾いた地面の土を嘴でどかしたら何やらを捕食した。虫が動く振動でもキャッチしているのだろうか。凄い超能力だ。やつと春の香木、沈丁花とコブシに似た白木蓮が開いた。啓蟄には水路にタシギが入る、明らかなフィールド内の移動が始まった。顔見知りや初顔に会えるが突然の別れもあるから毎年恒例だから新しい顔に会える事を楽しみにする。逆光や日影の画像、不鮮明なものは識別には不適切だ。全く異なる印象になってしまう。いつも真横、至近距離、順光、平常心は鳥も自分も。心掛けてます。畑のツグミは天を見ているのを何度も観た、渡りのシーズンならではの行動である。彼らは緯度経度をどうやって計測しているのだろうか、太陽の高さや角度からその場所が分かるのだろうか。何処が目的地かは生まれた場所が記録されているから違わず到達する。稀には計測装置が誤作動する事もある。それが稀な珍鳥となって各地を騒つかせる。フィールドないでは定着する3個体と非定着個体3羽が居る。後者はフィールド内には姿を見せなくなった。移動が激しくなった。一度フイールドから移動した個体が何日か後、或いは二週間後に思い出したように現れる。フイールド内で個体識別をしているとそれが戻りの個体であると断定できるようになった。それ以前には旅の途中に立ち寄った個体と思っていた。毎年毎年新しい発見が続いてる。

 
話 /二十四節気 春分の日03.21

今年は春一番が吹き荒れた、翌日は北風暴風が吹いた。暑くなり寒くなる、均して平年並み、落差が大きくなるのが温暖化。最低気温は氷点下にはならないから早朝からタシギたちは採食を始める。俺が歩き始める頃は休憩している。三月になりフィールド内では徐々に移動がはじまる。見慣れた顔、初顔などが混ざり合う、楽しくもあり突然の別れもある。来季も会いましょう、と言いながらもなかなか再会は無い。毎年、心に残る個体が居る、冬場を通して長く観ているから、互いに性格も分かる。こころの読み合いだ。タシギはいくら愛想が良くても公園のカモのようにはならない。そっと邪魔しないようにしているが、時には勘づかれてしまうから、結果邪魔している。タシギが休む場所は定位置或いは日替わりでちょっとずつ変わる。定位置は過去安心安全が担保された場所、日替わりは周辺が担保されたから。どちらも安全が関わる。連日の観察では時々不在がある、移動していたか、或いは偶然見えない場所に居た、翌日は定位置に居た。何日か不在でも数日後に居る。どちらも拘る理由があるから。冬羽でもいろいろな段階の個体が居る。成鳥冬羽、第一回目冬羽、共に冬羽だが成鳥が幼鳥より換羽は早い時季になるのは自然の事と思う。子育てした親はその子供より早い時季に冬羽になるだろう事は容易に理解できる。秋の冬羽の完成形は成鳥の可能性が大である。勿論、早く生まれた個体は渡りの初期に完全な冬羽、第一回目冬羽に完了している事はあり得るから、確たる証拠を、肩羽羽縁の太さや雨覆の摩耗、褪色、幼羽の痕跡を確認する。それでも確たる証拠が確かめられない事がある。そんな時は成鳥冬羽、第一回目冬羽の区別せずに冬羽としている。日の出が早まり採食も早まるから俺が歩く頃の時間に休憩するタシギも居る。勿論、渡りに備えてエネルギー備蓄が始まるから食べても食べても十分という事は無いから休んでは食べ続ける。併せて警戒心もどんどん強くなる。団地の庭ではサンシュユが咲き、ハクモクレンが満開になった。ヤマブキやボケの花もひっそりと咲いている。久しぶりに夕方前に土手に行った。菜の花は満開でコミミズク狙いのカメラマンがあちこちで構えてる。学校裏東2羽は東西中間で休憩していた。近づいて撮ると小柄は気がついて遠去かり、もっと近寄ると気づかれて遠ざかる。やっと順光至近距離で撮れた。共に第一回目冬羽である。ほぼ完了しているが肩羽は小さく羽縁は細い。庭に直播きしたクリスマスローズは67芽が伸びた。大事に育てている。ジョウビタキ雄がバードバスで丁寧に水浴びした、ツツジの茂みで羽繕いをする、近くにヒヨドリが居るから警戒している。なん度も攻撃されているからそれを防御する為に茂みに隠れて手入れをした。十分に手入れして飛び去った。以前は北海道で繁殖したのが話題になったが、今では国内繁殖地がどんどん拡大している。タシギは足音を聞き分けた。散歩人の足音が近づき遠ざかる、これは安心の警戒、俺はゆっくりと忍び足で近づき、音が近くで止まる、警戒して飛んだ。勿論、身体は見えないようにした。音だけからの聞き分けである。音はある意味振動でもあるから体感でも感じているかも知れない。キツネが雪の下を歩くネズミの音を頼りにジャンピングアタックする。こんな光景をTVで見た事がある。ツグミは何を頼りに地中のミミズを捕食するのだろうか?地中の微かな振動を捉えているのかも知れない。タゲリは10日頃から不在になる、渡去した久しぶりに土手を歩いたが菜の花は満開になり今季の季節は終了です。今年は満開の菜の花の前で自撮りをテストしてみた。ブルーツースです。なかなか新しい技術を習得するのは容易では無いです。春の草花は楽しみが多いです。毎年、図鑑を開いているがなかなか覚えきれない。田圃は未だ草地が少ないからキジがケンケンと鳴くとオオタカ、ハヤブサが狙っている。水路の草が大きくなるのはGW過ぎてから。キジも隠れ場所が出来れば安心して子育てができるようになる。水路のカルガモももう少し草が生えないと子育てはできない。

 

第七話/二十四節気 4月5日清明

花祭りの頃、沖縄県ではシーミー祭がある。先祖を祀るお墓の前で家族全員揃って飲食する。勿論、先祖を敬うことは当然のことです。同時に各地ではエイサー踊りが盛んに行われる。街のスーパーははではシーミー祭用のオードブルや惣菜が大量に売り出される。そんな風習が今でも残る文化はとても羨ましい。本島でも与那国島でも同じ文化が残る。子供の頃は山奥の神社から御神輿が降る、途中の家に立ち寄り神輿に差した割った竹竿に花形の色紙を貼り付けたものを配る、お礼にお米やお金を神輿を担いだ神の遣いにあげる。頂いたものは神棚にさしてある、何本もあり毎年毎年の行事であるのが分かる。農作業の種籾を一晩中お風呂に浸して籾を蒔く。今はハウス栽培だが、その昔は田圃に蒔く、その上に保温用シートを被せる、発芽した芽は緑色に成長してビニールを持ち上げる。適度に成長するとビニールを剥がし苗を緑色の丈夫なものに育てる。植え付け、田植えの時季は近所の農家が互いに協力して作業をする。いわゆる結と言われる。足らない時は金銭的にしたのかは今では分からない。味噌造りなども共同作業でやったのを覚えてる。勿論、食事は女性たちが総出で賄う。おにぎり、カツオの素揚げの醤油漬け、たくあん等の保存食。柏餅やぼた餅は最高のデザート。やはり本来の味は忘れられない。最近は年中スーパーで売られている。しかし、和菓子屋さんで買うのが本物だ。桜の葉、柏の葉は本物が良い、緑色のビニールでは食べる気は失せてしまう。年が明けてから何ヶ所かで定着している個体が居る。フィールド内には最大7羽が観察されている。その後は6羽が観察された。三月からは移動が始まる。見慣れた顔や新顔みたいなのも居る。3羽が顔見知りだ。ビジターで新しく入るが長居はしない。今は東水路と学校裏東が楽しみだが東水路だけが定着してほぼ毎日観察する。しかし、夜明けが早まり、俺が歩く時間には採食は終わり休憩中が多い。ツバメがやっと来た、22日初認。既に営巣場所に出入りしている。もうコチドリは来ているが未だ声も聴かない。キジははっきりケーンと鳴くが姿は見せない。カワラヒワがあちこちの茂みのある所でビーンと繰り返す。キジバトはディスプレイフライトを繰り返す。農家の竹藪にキジバトが営巣した、無事巣立ちしたかは不明でした、そんな竹藪は綺麗に整理された。つまり、昨年は竹藪が枝が混み合っていたからよく分からない、しかし今年は枝かわすかすかだからキジバトが抱卵しているのがはっきり分かる。何故、キジバトは同じ竹藪を選ぶのだろうか、生まれ育った場所は成功体験として記憶されている。もっと良い場所は無限にあるのに。成功体験の成せる事だけなのだろうか。成功を願うばかりです。キジバトは最も簡素な巣皿を作るが下から観ると卵が見える程の簡単な巣であり、驚いてしまう。雛たちは複数で意外にも枝移りしながら巣立ちをする。ツバメが普通に観られるのは四月になってから、巣作りは間も無く始まる。耕作田に降りて藁と泥を咥えていく、ほぼ一週間で新築の巣が完成すると産卵抱卵が始まる。雌雄で共同作業になる。とある田舎町に老婦人が営む小さな店がある。そこはお店だけなので近くから通って来る。田舎町の小さな店は土間がある、そこにはツバメが毎年子育てをする。店主は朝夕戸締りをする。子育て中の開店は早い、夜明けと同時に開店する。そろそろ店仕舞いしたいと聞いた。その後は聞いて無い。何十年も続いた民話のような話だが実話です。3月下旬河川敷を歩いた、ハマダイコンが満開、ツグミは数えきれないほど居た、渡りを実感する。学校裏東水路小柄が戻り3日目。画像幸いにも小さな店はツバメが来ている間は朝夕の戸締りだけはしている。と聴いてほっとした。4月は越タシギとのお別れの季節です。2024年春はタシギたちの移動前のセレモニーを見た。フイールド内のタシギたちはどういう理由かは分からないが一か所に集合する、そして水路の壁にたち上空を見る。単独から複数まで何度か観察している。そして数日後にタシギたちは同時に移動した。その飛んで行く姿をはっきりと確認した。これまでは単なる休憩と思っていたが深い意味がある事に気が付いたのです。今季はそれを二度経験した。これまで分からなかったのが明らかになったような気がする。

 
 
穀雨 第八話/二十四節気4月20

いよいよ田圃は乾田から湿田へと変化する。4月中旬になると大水路、江戸川から取水する、大場川を経由して水元公園の小合溜を通り中川放水路に繋がる。水が入ると同時に鯉、ヘラブナ、ナマズ等が遡上する。水路が賑やかになる。カワウが忙しくなる。大水路から小さな水路に順次流れ込む、所々にゲートがあり、これで水路の液面を調整して水は田圃に入るようになる。始めは水路が満水になり、田圃は水路と完全に繋がる。魚たちは生まれた場所の臭いを記憶していてその場所に戻れるらしい。五月になると田植えが始まる、実際には四月下旬には始まる。他ではもっと早く始まる。当地は早稲田発祥の地であるとの記念碑が近くの稲荷神社にある。いわゆる早場米地帯である。葛飾早稲の産地になっているが、今は100%コシヒカリが生産されている。河川敷からオオヨシキリが聞こえる、ウグイスのコーラス、そして特許許可局が屋敷林を飛び回る、工事現場の砂利の駐車場にコチドリが飛び回る。カルガモは休耕田に出入りしている。子育てを始めているから六月には水路に雛がでてくる。何年も前からカッコウが聞こえなくなりホトトギスが聞こえる。環境の変化だと思うが、自然は必ずしも都市化に対応できない訳では無い。オナガが公園で集団繁殖している。ツミは街中の公園や通りの大木で繁殖する。複数が繁殖している。都市で繁殖するムクドリやスズメ等を捕食しているのが分かる。今日は友人からライン電話が来た、スリランカへ三度出かけた、その思い出話、20年前の事だ、ハスの花に止まるアカガシラサギ、ハスの花とレンカク等、殆ど記憶に無いが、薄らと甦った。ガイドは象ばかり見せてくれた、俺はレンカクとハスの花の画像が欲しかった。道路に座るヨタカが異様に残っている。フォトブックを制作しているから楽しみ。当時の紅茶は格安で絶品だった、街中のレストランのカレーはツアー会社の契約した小綺麗な店とは格段に違っていた。ツアー用は無難な味で本来の味では無い。現地での買い食いは殆どのツアー会社は禁じている。衛生面で保証できないから、でも毎回バス等の移動中のトイレ休憩時には側に露店があるから必ずしも現地の果物等を買う、安いし美味しい。慣れてくると添乗員もサービスで差し入れしてくれる事もある。調子に乗って他の飲食物を買うのはリスクが大きい。水が危険だから絶対にミネラルウオーターを飲むのがベスト。ホテルも同様です。マレーシア、スラウェシ島では他人の分まで生野菜を食べたら、夜中にトイレに行きっぱなし、次の日は移動が大変で飲食を控えていたのを思い出す。桜が終わり八重桜になる、遅咲きの御衣黄が咲いた。この場所を覚えて3年目になる。老舗の和菓子店は桜餅から柏餅になった。最近は散歩途中に立ち寄り買っていく。ランチ後に半分ずつ分け合って食べる。何でも食べるがちょっとだけ、これを守れるか否かは本人の意思次第です。何でも好き嫌い無く万遍なく食べるのが最高だが、過ぎたるは及ばざる如し。四月上旬に南風が三日間吹き荒れた、時折雨が降る、耕作田は黒々としている、二番穂は完全に藁がバフ色と化した。そんな中からタシギが飛び立つ、水路も湿地化している。タシギが高く舞い上がる、飛び立った付近を見ると食痕がある、採食したフィールドサインが残る。越冬個体とは全く違う飛翔形態だと分かるのはかなりのマニアだ。デジ一で飛翔を狙ってみたい。清明が過ぎて南風が三日間吹き荒れた、天気が回復した翌日には湿田の泥地に多数の食痕と足跡、糞、羽毛が残っている。多数のタシギが利用した事が分かる。秋晴れのような快晴は春は少ないが、そんな日にフィールドを歩いたら時間を忘れて歩き周っている事が多い。春は渡りがある。昨日複数観察したが今日は一二羽だけになる、春はこんな感じで北上に忙しい。繁殖に入る時季だから一刻を争うから遅れたら間に合わない。緯度が低い地域から始まる事は容易に分かる、緯度が高い程夏は遅く冬は早いから繁殖限界がある。環境が厳しい程競争は少ないから選択する個体は少ない。反対に環境が良い場所は個体数が多くなる。環境はその年により気候が変化する事で気温、水温、凍結、などで餌が大量に発生するか否かで雛の数や生育状況に大差がでる。レミング数とシロフクロウは最も知られている。一度でも天変地異があると個体数は余程の事が続かない限り回復は難しい。全ての種がそのような状況にある。雨は降るが風が強く乾燥化が早い、小さな水路を利用する。夏羽が多いが成鳥は少ない、今頃は第一回目夏羽が多い。成鳥は早く北上するのかもしれない。先島ではタシギやハリオシギ、チュウジシギが渡っていると掲載されている。先島諸島より南の東南アジアやフィリピン諸島などからの北上だと思われる。南の方から最北迄の最長距離を移動する。北の方は移動時季は早いがあまり北上はしないのだろうか。今日はかんさつ記録をまとめていたら、タシギは三月には微かに頭側線内の斑点が目立ち始める、しかしこの時季は個体差により目立つ、目立たないが混在する。四月になるとハッキリと目立つようになる。冬羽との差は明確になる。但し早い遅いはある。モヤモヤしていた疑問が一つ解けたような気がする。やはり夏羽のタシギを見られたらとても嬉しいのは俺だけだろうか。今季の越冬観察もやっと終わりました。

 

 立夏 第九話/二十四節気五月六日

一年は12ケ月ですが、これでも一月が過ぎるのはあっという間に過ぎて行く。今年は二十四節気で生活している。ほぼ月を二分割したような感じです。課題として二十四節気毎に随筆集を書いている。肌で感じた事から過去の経験を思い出してみるなど自由気ままな観察記です。立春や春分の日などは生活に身近に感じるが、立夏はあくまでも暦の上の事、地球温暖化で四月に夏日はもとより真夏日さえある。既に熱中症アラームがだされる。暦の上では無い。春と秋が短くなり、夏は長くて冬は短くなる。四季があってもバランスが崩れてしまった。その昔、子供の頃に冬の田圃に水を引き入れて凍らせて竹靴をスケート靴代用にして遊んだ。今は氷が張っても人が立ち入れない程の厚さしかならない。今、郊外の田圃に氷は張るが昼には融けてしまう。タシギたちはその事を知っていて、朝はゆっくり日光浴をしている。融け始めるとタシギたちは採食を始める、昼前には一旦、休憩に入る。勿論、日向を選ぶ。四月下旬はタシギの移動の季節です。夏羽の羽衣を観られる大チャンスです。図鑑には夏羽は明るい茶褐色で頭側線内の斑点がハッキリ目立つようになる。冬羽でも頭側線内の斑点が多い個体は居るが、四月以降の個体の夏羽と冬羽の頭側線内の斑点の多い個体と比較すれば、その差は明確になる。胸の明るさや斑点などが明らかに異なると分かります。立夏はGWの終盤頃です。田植えがあちこちで始まります。そろそろタシギも最終便が飛んで行く。雨は少ないのか田圃は乾いている。ムナグロの声が聴こえた。ツグミはかなり少ない。ツバメは巣作りに忙しい。やっと静かな生活が戻りそうです。水路は繋がり、鯉や鯰や鮒が入って来るから目が離せない。間も無く稚魚が見られるようになる。これからは土手歩きが多くなります。GW前からトラクターによる代掻きが始まった。水路は賑やかになった。乾田から湿田に変化した。ムナグロ、チュウシャクシギ、コチドリが来た。間も無くオオヨシキリやホトトギスが鳴く。カッコウが来なくなって何年も経つ。ノスリは周年観られるから環境の変化だけでは分からない事がある。GWにはツバメが抱卵を始めた、ハシボソガラスは雛が大分大きくなっている、ツミは雄の見張りが続くから抱卵していると思う。暦の上だけでは無い本格的夏の到来である、日傘や水は必需品になった。


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