初めての方へ

ビギナーからベテラン、マニアの方へのメッセージです。
2022.06.05renewal

 自然が好きで野の鳥が大好きなフォト・バーダーが恩師の400種越えを目指して現役時代から日本国内はもとよりあちこちの大陸の鳥を観てきました。そしていつか国内で400種越えたころに何か心躍る感動が少なくなっている自分に感じ始めたのです。綺麗な鳥は被写体としてはとても魅力的でした。カワセミもオオルリもササンコウチョウもそしてアカショウビンだつてフオト・バーダーを虜にしてしまう魅力を持っています。野の鳥だけではなくそこに花があり自然が有るともっともらしい感動を感じるようになりました。いつしか地味なクイナ類とかソリハシシギとかに自然と目が向けられるようになりました。ホームページを公開し始めていろいろなことを紹介するのも良いし更に何か一つの拘りに集中しようと考えました。それがジシギでした。自慢じゃないけれど、タシギ以外は全てがジシギという識別技量でしたから誰でもがそうであるように初めは何も知らないことから始めるのです。図鑑を見ながら名前・和名を覚え興味があれば英名・学名など少しずつ覚えていきます。そして名前を覚えたらその鳥の特徴や識別ポイントをよく覚えます。いろいろな図鑑があります。写真図鑑、イラスト図鑑それらの読む図鑑など今では全種類を調べるのは不可能なほど市販されています。更に個人や地方新聞社・野鳥同好会などからその地方の野鳥写真図鑑が発行されているのです。地方の土産店・道の駅などのコーナーで素晴らしい写真集が置いてあります。以前は真っ先に購入・コレクションしていましたが今では財布が追いついていかないので控えて立ち読みに徹しているのです。写真も素晴らしいのですが解説も又楽しいのです。図鑑はページに限りがあり1種の解説も限りがあります。プロ写真家に言わせれば写してある鳥の部位の解説は不要らしいです。それは写真を観れば色や形などは分かるからと話していました。なるほどそうか、でも初心者は色とか形に拘るからツグミの色彩変異にでもついていけない事もしばしば有るのです。そういう心配り気配りが図鑑にあっても良いのではないでしようか。最近はそんなことを考えるようになりました。ジシギを本格的に始めた2005年頃には全てのジシギの画像と動画を撮ることが目的でした。そして今では自分が初心者でジシギを始めた時には有名な某ジシギサイトでチユウジシギとハリオシギとオオジシギを繰り返し閲覧して何時しかハリオシギに会いたいものだと心弾ませたものです。しかし関東地区でハリオシギを探すのは今ではほぼ不可能に近いのです。何故なら8月末の残暑厳しいこの時期にジシギを探すマニアックな方はそうそういないのです。いても週一回とかが体力的に限界では無いでしようか。そんな特殊な事情により関東地区でのハリオシギを自分で探し見つける、ましてや写真に撮るなどとんでもないことなのです。ジシギを始めた頃沖縄本島からジシギ情報を発信して沖縄のジシギ・アルバムを公開している方のサイトを観て何か心躍らされるものがありました。そうか沖縄ならハリオシギに会うチャンスは多い筈だと考えました。そしてついに沖縄遠征を計画したのが2007年9月から10月中旬の一月半の取材でした。勿論、その方にもお会いしてその後もいろいろとお世話になっています。さて沖縄本島のジシギ事情ですが、ジシギ特にハリオシギとチユウジシギを観察する絶好のフィールドでした。所変われば見方も変わり観察方法は基本的には車から乗ったままというスタイルが私の鳥見スタイルの基本に変化したのです。双眼鏡8×30、10×25とコーワTSN-N30Wが基本です。場合により20−60倍ズームを使用することもあります。最近は物欲が強くなりコーワ88とかEDG85などちちらちらリサーチしているのです。何故なら500mmも600mmも何れ持てなくなる日が近いのです。その時はいよいよデジスコ入門になるからです。デジスコはちょっと前まではワンランク下に見ていましたがデジタル技術の各社の競争で物凄い進歩です。新しい機材を購入している間に又進歩、周辺機材も格段の進歩ですからデジ一眼のパーツよりも周辺パーツは選択に困るほどです。海外機材の進歩で国内メーカーも競争してハイエンド機はそれなりに格段の進歩です。ニコンEDGは覗いたことはありませんがコーワ88は素晴らしいですし、スワロスキーは価格も一番解像力もピカ一です。ライカ、ツアイスの一昔前二昔前からスワロスキーの光学は断トツです。これから始める皆さんはスワロスキーがお薦めです。俺はクラシックのツアイスです。さて鳥見のスタイルからこれまでの経験とは言っても少ない年数ですがここ5年間のジシギ観察時間ではギネス認定でもと自負しています。経験年数は年数でそれなりに価値の有るものです。何故なら昔はこうだった・あーだったという経験があるのです。私には何もありません。ただこの5年間では中身・ジシギシーズンの観察時間の日数と観察時間では相当なスキルアップができたと思いますがまだまだジシギの全てを語るには知識不足なのです。いろいろな個体を観察して一羽一羽丁寧に識別して納得するまで見て観て撮る。そして画像から驚くべき資料が次々に発掘されるのです。撮影して気がつく尾羽、気がつかない尾羽、時間の経過とともに再点検する画像の中からまたまた新しい発見が有るのです。ハリオシギと思っていたのにチュウジシギ、チユウジシギと思っていたのにハリオシギだったというスキル不足が度々ありました。同じ画像を時にはハリオ、又ある時はチユウジと自分自身の無知・スキル不足をさらけ出す事もしばしばです。それが今では、完全な人間などいないと神様のような悟りの気持ちでそれが吹っ切れたのです。誰でもミスはあるそれが分かれば直ぐ修正する。それが又人生ではないでしょうか。人はそれは害以外の何物でもないというご批判をするかも知れませんが。神の領域に達すれば全ては許せる気持ちになりませんか。そんなことで大胆な解説をしているのです。そして知識が増えて過ちにも気が付けば更なる進歩では無いでしょうか。さていよいよジシギ談義の始まりです。ジシギは難しい。はいその通りです。でも恐れることは何も有りません。筆者は故高野伸二さんの写真集や読む識別図鑑の大フアンです。彼の言葉によるとタシギ以外の識別は不可能だと言っているではありませんか。あの識別の大家が言っているのです。それは俺の今の感覚では高野さんでさえジシギ観察の時間がそれほど多くは無く図鑑を描くについて標本を手にとりそれらを認識したのだと思います。標本では微妙な生態の色彩はどうでしょうか、俺はバンデングなどしたこと無いから分からないですが、フイールドで落鳥したのを見るとそれは生態とは異なっている色彩をしているのに気か付きます。ですから高野さんはシギチ観察グループの[新浜クラブ]の詳細な識別表現の違いを判断出来ずに私にはフイールでの識別は不可能です。という表現になったと理解しています。さあ皆さんもジシギを恐れることなかれ、人が興味を持たない、知らないことを知って興味を持ませんか、そしてジシギをひとつでも増やして更なる識別スキルアツプをしてみましょう。ジシギはタシギ以外は尾羽の色・形・枚数などが最終判断ポイントだ。と図鑑などには書かれています。そうなんです。初心者にはそれしかできないのです。ある程度の経験と個体識別ができるマニアとかベテランなら顔でもプロポーションでもシルエットでもある程度間違いは無いのです。でも何故そうなのかと問われれば、知っている人は知っている。知らない人は知らないのですから。そこで私はタシギをモデルにフイールド観察をしっかり重ねることを薦めます。タシギは越冬もしているし春秋の渡りでは成鳥とか秋の幼鳥とかのいろいろな羽毛の色彩と模様の変化があることに気が付けばその他のジシギはいろいろと異なるということになります。タシギのフイールド観察でいろいろな部位、頭・眉斑・頭側線・頭央線・過眼線・目先線など必要なことを丸暗記しましょう。ここでめげてはいけませんよ。達人・師範への道はただただ修行あるのみてですから。それをフイールドで完全マスターしましょう。春秋冬の一シーズン夢中になれば必ず達成します。その上達に自分自身が驚くと思います。見つけることそれは生息場所の環境を観ることです。するとタシギはどんなとこにいるか理解して簡単に見つけられるようになります。そして上手くするとチユウジシギやオオジシギにも出会えるようになります。単独でそして複数で居る時など識別判断材料は異なります。飛び立ちの瞬間を観たくて秋のシーズンには田んぼの農道を好んで歩いたのを思い出します。ゲッと一声、ジェージェージェーと飛び立ち体をゆっくり傾けながら飛び去るタシギは双眼鏡で次列風切先端が幅広く白く見えてくる。又他のジシギよりも翼下面も淡色・白っぽく見えるなど一つ一つ知識が身につくでしょう。関東地区でのチユウジシギはほぼ同一タイプの黒色系の暗色タイプですから最も識別には迷うことは無いでしょう。でも心配なら望遠鏡で餌獲りからちょっとだけ寛ぎの瞬間まで気長に観察しながら待ちましょう。必ず驚く瞬間がやってきまます。尾羽を観察するには望遠鏡が良いでしょう。出来ればデシスコが出来れば尚良いのです。観ただけでも嬉しいのにその証拠を写せば尚嬉しいのです。後で驚く画像のお宝がでてくるのです。観察時の服装はできるだけ地味なアースカラーがべストです。相手もカムフラージュの名人・名鳥ですから。くれぐれも派手な色は禁止です。ジシギの尾羽の識別ですが、尾羽の色・形・枚数などによります。ハリオシギもチュウジシギもその枚数にはオオーバーラップする枚数がある事に気がつきます。でもそんな事は大した事では有りません。枚数だけが識別ポイントではありませんから。これからがジシギの尾羽識別のノウハウポイントです。枚数も形も色もそして外側尾羽とか中央尾羽とかいう部位に注目です。ジシギはそれぞれが特異な外側尾羽を有しているのです。尾羽全数・片側半分×2倍も普通に使用します。そしてジシギたちが尾羽全数を見せてくれる瞬間は地上ではそうそう観られるものではありません。しかしディスプレイフライトするオオジシギは繁殖地では簡単に観察できるのです。画像もそれなりに写せるのですが、オオジシギのデイスプレイで尾羽を観てオオジシギと識別するバーダーは居ません。何故ならデイスプレイフライト・ソングがそれ自身オオジシギですから。しかし渡りのシーズンのジシギたちはジェー、ゲェッ、シャッ・ジャッとか一声二声しか発しないのです。俺にはタシギとオオジシギしか分かりません。ハリオとチュウジは無理です。尾羽はタシギならちょっと真剣に観察すると日光浴のシーンで全開してくれるでしょう。尾羽の全部が観られたらその最外側が白く黒い帯があり全ての幅がほぼ一様な太さ・広さです。そうです、タシギはもし尾羽で識別しろと言われたら全体の枚数と最外の白く黒帯がある。のです。枚数だけや色や形だけに拘ってもいけません。そのポイントをチェックするのです。さて次はハリオシギとチユウジシギの外側尾羽に注目してみましょう。くれぐれも全体の枚数・全数に拘らないことです。ハリオシギは1-2ミリの幅、チユウジシギは2−4ミリという図鑑のデータ、SHORE BIRDS バーダー誌を載せておきます。先ほどの幅は外側尾羽は両サイドにありますから、対ということになります。ハリオシギは6-8対、チュウジシギは6対ですが、私の観察した範囲ではハリオシギ7対が殆どてした。ですから外側尾羽の枚数だけに拘るとオーバーラップする6対がありますが、それはほとんど問題ないでしよう。それよりもここからが俺独自の解釈になりまする1−2ミリと2−4ミリというのは最外側の尾羽は6対だろうと7対だろうと全てが同幅で1-2ミリということでは無いということです。つまりハリオシギのモデルでは最外側の尾羽は7対は内側から2ミリで順次、針状の1-2ミリ幅の羽軸だけになるという俺流の解釈です。それは舳倉島で落鳥したハリオシギの尾羽の標本からも明らかです。SHORE BIRDSのチュウジシギ外側尾羽2-4mmという計測値は最近?になりました。そこで国内で測定されているチユウジシギの外側尾羽T10.T9.T8.T7.の数値を入れて改訂しました。4-5-5-6mmという計測値です。これでちょっとだけ変わりました。その改訂版は尾羽による識別の新しい試みをご覧ください。何故このようなことを書くかというと1-2ミリと2-4ミリではハリオシギとチユウジシギは最外側尾羽がオーバーラップすることがあるという解釈です。そうでは無いというのが今、現時点での解釈ですがこれも絶対的ではありません。今、現在はそう解釈しているということです。念のため。ハリオシギは外側尾羽は極端に細く針状でそして短いのです。それに比較してチユウジシギでは2-4ミリですから尾羽全体からの中央尾羽の幅からどのくらいの割合の外側尾羽かで直ぐに分かります。改訂版部・ホームページ参照してください。そして尾羽の見方ですが当然手に取って観るわけではありません。遠くから望遠鏡で観るので尾羽を平面的に観たとき最も幅広く見えて水平或いは斜めに見ると薄く・細くなるのは当然です。尾羽を観た・写したと言ってもどのように写ったかがポイントです。たかが一本・一枚の尾羽でもハリオシギと識別出来るし、全部写しても、さあーどうでしょう。ということも多々あるのです。さあ、頭の体操・脳トレが終われば図鑑とホームページを再度見てみましょう。新しい発見が有るかもしれません。それと俺流の解釈ですがジシギの顔を見る時は警戒心などが全く無い平常心であることはとても重要な事です。ハリオシギを見つけて舞い上がり尾羽を広げては手が震えるようでは観察者が平常心ではありません。自分自身が平常心で遠くのジシギが時間をかけて10メートル以内に接近してくれたらジシギは平常心では無いでしょうか。互いが危険では無いということを主張しつつ納得しながら接近する時期を長ーーーーく待つのみです。それがジシギ達人への道ではないでしょうか。ここまで解説すればこれまでのいろいろな解説はもう不要ですね。いかにフイールド観察から得られる新しい情報があるかお分かりですね。自分自身の識別図鑑を完成させてみましょう。初心者むけの解説ですからベテラン・マニアには物足りないかも知れませんが入門するキッカケになっていただければ幸いです。また誤解の無いように付け加えますが他のサイトなとどの指摘が誤りだとか正しいとか言っているのではありません。今の解釈はこうです。将来もっともっと観察の情報が増えればまた異なる見解になることは想定されるのです。ひとりでも多くのジシギフアンが続いてくれることを期待しています。最後に筆者は全てのジシギを特定する自信はまだまだ不足しています。近縁種のコシギを観たい、タシギ・ハリオ・チユウジの繁殖地を観察したい、そしてオオジシギのオーストラリア・ニュージランドでの越冬地を観察したいなど欲望はまだまだ続きそうです。今年の秋も4回目の亜熱帯の沖縄本島に出かけるのです。そうそう俺自身はジシギの夏羽・繁殖羽はゴールデンバフなどと解説していましたが、それはジシギという色彩変化を理解してない時の解釈でした。これについても何れジシギの色彩変化について纏める時が来ると思っています。そういう言い訳も付け加えておきます。by HappyChappy20100719
 それではお遊びです。尾羽を広げたジシギは何でしようか。尾羽が見えてもそんなに簡単に一枚の画像から推定するのは本当に難しいのです。それが理解されるととても嬉しいのです。分かりにくい尾羽の例でした。
チュウジシギ淡色系でした。

 

観察の前後から個体識別はされているのです。ですからたかが尾羽されど尾羽です。尾羽も見て全体も観ることが識別のポイントかな。答えは読者自身でどうぞ・・・・・・。俺ならチユウジとハリオと識別しています。正解か否かはジシギに聞かないと分かりません。自分が観察したものですから識別可能ですがこれが第三者からでは私にも分かりません。ということです。

 (C)BIRDOPIA2010 by HappyChappy
 
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