ジシギの絶対的識別点

by HappyChappy
2013,08,09

参考書、バーダー誌2005,09考える識別・感じる識別
2022.05.09追記




ジシギの識別では相対的なものとして、本州で観られるチュウジシギはオオジシギより暗色・黒色が多いと感じる。本州と限定しているのは南西諸島、沖縄県では淡色のチュウジシギが普通に観られる。次に、割合の含む議論です。タシギの嘴は基部でも細く一様に長い。これはハリオシギ、チュウジシギ、オオジシギとの比較でも良い。先ほどの識別点はそれぞれの種の特徴を表すには間違いではありません。しかし、それを根拠に識別のポイントとしてしまうと、とんでもない結論が導きだされてしまうのです。これらの相対的、割合などのポイントを幾つ重ねても結果的には誤りという事もあるので要注意なんです。そこで、先ほどの事を踏まえて、最後の最後には、絶対的識別点尾羽の枚数、外側尾羽の形状(針状)と色彩を押えればその個体は種を特定することができるのです。ここで尾羽、外側尾羽の色彩についての議論が無いことに注意してください。淡色だからオオシシシギ的、黒色だからチユウジシギ的であり、傾向を表すだけで、種の特定には至りません。形状、枚数は別資料を参照ください。タシギ(Gallinago gallinago)では次列後縁の白帯が明瞭であること、翼下面は淡色・白っぽい、などの点を一つ或いは二つの合わせ技、でもタシギの絶対的識別点でも間違いありません。しかし、全ての生物では(鳥も)白化、黒化、アルビノなど様々な個体変化があるので要注意です。以上の識別点を念頭に種・個体の部位の詳細を比較検討するとなかなか眠れない熱帯夜が続くのです。それではベテラン、達人はどのようにしてJIZZから簡単に○○ジシギと分かるのでしょうか?。それは相当な野外観察から個体の一つ一つを丁寧に観察して最後の最後に絶対的ポイントを押えて種、個体差などを記憶しているのです。初めから図鑑的な識別でそうしている訳では無いのです。その膨大な情報をベースに他の観察者の資料、ネット情報も参考にしてデータベースに蓄積されるのです。しかし、ベテランと言えどもジシギを全ての個体を観察し終えたという方は居ない筈です。それは必ず未知との遭遇があるのです。そんな場合は全くのビギナーと同様にその新たな個体の謎を解くのです。しかし、時として全身を見せず一部だけ或いは草陰で見えなかったりして一枚の画像からでは判断できないことは良く有ることです。つまり確定的にはならないのです。所変われば種・個体も変わるです。何処で観ても初めては初めてです。さあ皆さんも奥が深いジシギに関心があるのなら今からでも始めてみましょう。オオジシギの渡る頃は最も暑さ厳しい時期でもあるから早朝、夕方などの涼しい時間帯に観察することをお薦めします。九月になれば田んぼを吹き渡る風も秋を感じるように涼しくなります。チユウジシギやタシギの渡りを楽しみましょう。勿論、遅いオオジシギも期待できるかもしれません。

 

2007沖縄県、チュウジシギ



 Golden SnipeGallinago Aurum ©キンジシギ・黄金地鴫
 
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