初心者の為のジシギ

地鴫観察入門
  はじめに
日本で観察できる所謂ジシギはGallinago属の五種類である。タシギ、ハリオシギ、チユウジシギ、オオジシギそしてアオシギの五種類である。オオジシギは主に本州以北の高原、高層湿原で北海道では原生花園、草原などて繁殖する夏鳥である。アオシギは主に山間部の渓流及び付近の湿地で越冬する冬鳥である。最近の情報では里山の用水路にもかなりの個体数が越冬していることが分かっている。タシギ、ハリオシギ、チュウジシギは春と秋の渡で日本列島を通過する旅鳥であるがタシギは主に本州以南で越冬し、ハリオシギとチュウジシギは南西諸島でも極少数が越冬する冬鳥でもある。南西諸島で越冬するチュウジシギは少なくハリオシギは極めて少ない。筆者の観察ではチュウジシギは10個体未満、ハリオシギは数個体と思われる。2022.05.05追記
 T、いつ見られるか
 地 鴫 (目安) 暦・ジシギの観察年間カレンダー
鳥 種 名 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
タシギ 渡始 渡終 × × × 渡始 渡終 本州以南越冬
ハリオシギ 渡始 渡終 × × 渡始 渡終 南西諸
島少数
越冬
チュウジシギ 渡始 渡終 × × 中旬
渡始
渡終
オオジシギ 渡始 繁殖期 繁殖期 下旬
成鳥
渡り
幼鳥渡
中旬ピーク1
渡終
上旬ピーク2
オーストラリア東部
越冬

石垣島越冬例あり
アオシギ 越冬 越冬
渡り始め
× × × × × × 越冬 越冬
 渡始・・・・春・秋の渡りの始めを表す。
渡終・・・・春・秋の渡りの終わる頃。
渡・・・・・・春・秋の渡りの最盛期。
繁殖期・・夏・繁殖羽・営巣・抱卵・孵化・育雛。
越冬・・・・定着する時期。
上の時期・移動・渡りの時期、繁殖期、越冬時期が観察時期となる。になります。オオジシギ繁殖地は本州・北海道、北方四島・樺太、千島列島、他。
注意事項
秋の渡来は七月の中・下旬からオオジシギの成鳥が始まる。八月に入るとハリオ・チュウジそして九月にはタシギと続くがそれぞれの個体は何らかの理由で少しずつ早まったり遅れたりすることが観察されています。ジシギの渡はほぼ八月から十一月上旬で終わります。春は三月から始まり五月上旬には渡りが終わる。
 U、どこで見られるか
地 鴫 (目安) 暦・ジシギの年間カレンダー
鳥 種 名 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
タシギ A × × ×

A

本州以南越冬
ハリオシギ × ×

A

南西諸島
少数越冬
チュウジシギ × ×
オオジシギ

A

B A

A

オーストラリア東部越冬
アオシギ c C × × × × × × × c
 A 水田及び湿地と付近の草地など
B 本州の高層湿原・高原、北海道の原生花園などの草地
C 山間部の渓流と付近の湿地、最近の情報から里山の水路にも多く越冬している。2022.05.05追記

水田の畔と周辺、水田と休耕田などの空き地の水溜り

A 水田及び湿地と付近の草地など

 

タシギ・ハリオシギ・チユウジシギ・オオジシギの観察場所はAの水田及び湿地と付近の草地となっていますがタシギは水中及び柔らかな泥地を好みます。ハリオシギ・チユウジシギ・オオジシギは田圃の畔の草の少ない畦の上や畦の側面で餌を探すことが多いです。オオジシギは他のジシギより草の多いところでも良く観察することが多い。

注意事項

B 本州の高層湿原・高原、北海道の原生花園などの草地
高層湿原の草地、北海道・原生花園




 C 山間部の渓流と付近の湿地

山間部の渓流と周辺の湿地・水辺など

 V、どうやって見るか

プロミナTSN-N&30Wと800mm&D300が標準仕様です。
撮影時にはメッシュカーテンを使用します。

観察用具として8-10倍の双眼鏡と20-60倍程度の望遠鏡およびそれにマッチした三脚が必要です。
観察・観る・聴くだけでは無くデジスコなどでの記録撮影もお薦めします。撮影だけに夢中になると
ジシギの生態観察がおろそかになることが多いのでできればある程度の経験とそれなりの観察方
法をマスターしている方にお薦めです。とにかく鳥を好きになり外にフイールドに出て益々ジシギが
好きになることを期待しています。観察やデジスコ撮影などは専門の日本野鳥の会などの図鑑や
専門のでじすこ屋などのホームページを閲覧参考にしてください。

ブラインドがセットされていません。カーテンは必需品です。右上にメッシュのカーテン・ブラインドがある。



秋のオオジシギが渡る頃、以下の画像は2012年利根川流域
の田んぼの観察から


7月下旬からオオジシギの成鳥の渡りが観られます。その頃の田
んぼは稲は青々としている。

 

苅田になるとタシギが増えてくる。チユウジやオオジが少数混
ざることがあるのです。


この時期ジシギの渡りは最盛期になります。

 

デジスコセット、モニターフード、ミニクッションは自作です。



苅田の農道を歩いて見ました。
飛翔撮影では300mm程度を持参します。

 



新しいデジスコシステムになりました。

TSN-884 & 30W & 20-60ズーム、V-1&V-3 10-30&18.5


デジスコの極意、・・・・・あまり欲張りすぎてドアップではいけない。
できるだけ広角側で環境・風景が写しこめるような望遠遠景が
良い仕上がりになります。2017.07.19追記by HappyChappy

どんな事でも名前を知ることから好奇心が深まるのです。
それぞれの経験でジシギを識別・観察・撮影するのは楽しいです。
六年目の現在は幼羽⇒1W⇒1S⇒Wへの換羽の経過が画像から
理解できる事です。勿論、!WとW、1SとSなどの相違点が明らかにな
ればもっともっと楽しくなります。もっとも数多く観察できるタシギ
を一年を通じて観察することで段々と分かってくるのでは無いの
でしょうか。

 

2016秋の観察


 

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by HappyChappy
2008,12,05
2011,05,30
2012,01,04
2012,08,23
2017.07.19
2022.05.05
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