ジシギの尾羽

ジシギの識別の決定的ポイントは尾羽です。識別に迷いを生じたり悩んだら迷わず尾羽を思い出して尾羽の一部・全部を確認してみましょう。尾羽だけに拘るととんでもない大失敗をします。

 通常、中央尾羽からT-1,T-2,を付けますが、便宜的に外から付けると分かり易いこともあります。つまり、外側尾羽を議論するには便利です。
 (C)Copyright Birdopia Gallinavi 2004-2012 All Rights Reserved
タシギ 田鴫 Common Snipe Gallinago gallinago
 14枚、最外側は淡色・白地に黒帯で全ての尾羽はほぼ同一幅(7-12mm)である。ジシギの中でも最も尾羽を見るチャンスが多い。水浴後の伸びや羽繕い、日光浴でよく見られる。T-1中央尾羽は黒帯が目立つ。他のジシギも同様である。


中央尾羽は最も黒いジシギ共通です、最外側尾羽は淡色で横班が入る。14枚の個体の例。全てが等幅。ほぼ扇状に広がるこのタシギの尾羽を観ることからジシギの尾羽に拘ることになります。。


 ハリオシギ 針尾鴫 Pintail Snipe Gallinago stenura

通常26枚、この個体は24(26)枚。外側尾羽は7対で羽軸だけのように針状(1-2mm)で短い。全開しても中央尾羽だけで外側尾羽は幸運・良条件で見られる。特に尾羽の羽繕い時は一部の外側尾羽、針を見るチャンスです。ハリオシギの外側尾羽は細いだけでは誤認されることが多い。針のように羽軸だけのように見えることが大切です。細いだけではチュウジシギとの識別は不完全なことがある。短い、細い、段差がある。三拍子揃うこと。がミスは少ない。2022.05.31追記。

 チュウジシギ 中地鴫 Swinhoe's Snipe Gallinago megala


通常(20)-22枚、外側尾羽は6対、外側へ順次細く(4-2mm)なる。伸びをする時にかなりの確率で見られます。広げてくれる角度がポイントです。できるだけ平面的に観察しないと細く見えて誤認することが多々あります。外側尾羽は黒色斑が多いのが普通。しかし最近では淡色型も居るので要注意。この個体の外側尾羽は割合太め・広めですが、かなり細い個体もいることに要注意です。

 オオジシギ 大地鴫 Letham's Snipe Gallinago hardwickii

T-7,8,の色彩、白地に黒帯と幅に注目。


14-(16)-(18)-19枚、山階鳥研、外側尾羽は5+1対、外側から1-2-3対は淡色部が多く、外側は順次細くなる。夏の繁殖地のディスプレイフライトでは終日観察されます。繁殖期以外は他のジシギと同様に伸び・水浴後の羽繕いがチャンス。

 アオシギ 蒼鴫 Solitary Snipe Gallinago solitaria



20枚、外側5-6対は淡色で短い。外側に順次細くなる。アオシギでは
尾羽の確認は必要無いですね。

 たかが尾羽されど尾羽です。

ジシギの識別にはいろいろな方法があります。地道に観察種と個体数を積み重ねる。勿論、ネット時代ですから画像からの情報・種類・時期・場所・環境他、が得られます。実際のフイールドで観察してそのJIZZに迷ったら最終手段は正確な尾羽の観察です。一見・JIZZ・ちょっと見で分かるようになるには有る程度のフイールド経験が必要です。先ずは、初めは個体数の多いタシギから始めてみましょう。季節と個体・年齢によりいろいろな羽衣が観察されます。日本で観察されるジシギはたったの五種類ですが、アオシギを除いたジシギたちはかなり酷似しているのです。それらを一瞬で識別するのは簡単でもあり、相当な訓練を積み重ねても難しい場合があるのです。知れば知るほど奥が深いジシギの観察を楽しんでみませんか。2012,08,25追記by HappyChappy
 by Happy Chappy
2012,01,02改訂

(C)Copyright Birdopia Gallinavi 2004-2012 All Rights Reserved
2022.05.30 renewal
Golden Snipe Gallinago Aurum キンジシギ 黄金地鴫
inserted by FC2 system