Gallinago delicata ウイルソンタシギ、アメリカタシギと言われている。

Golden Snipe Gallinago Aurum  キンジシギ 黄金地鴫

2022.06.15 by Happy Chappy


10年前の図鑑では日本の野鳥590写真図鑑真木宏造ではGallinago gallinago delicata北米産亜種と分類されていた。その後の650では別種として独立した。10年以上前の事ではあるが、タシギと誤認されている可能性が高いと評価されていた。筆者もそのことを念頭に置いて沖縄県で注目していた。ある日のこと一見して黒いタシギを観た。あれ・・・・・と思ったからその翼下面の撮影を待った、そして羽ばたいた、淡色である、外側尾羽は淡色が撮られている。ただのタシギでした。よく検討したら何らかの原因で暗色、褐色味に欠けていた。つまり油汚染のような感じを受けた。羽毛は油汚染そのもののように感じられた。画像の中には肩羽羽縁が真っ白く細い個体がいる。全体が褐色味のある普通のタシギ風、それと褐色味に無い暗色の個体も居る。当初は幼鳥、幼羽とコメントを記載していた。しかし、その後どうも違うと考えが変わった。そこで直ぐウイルソンタシギとは思わなかった。タシギだがそのような個体が少なからず居るという事がどんどん情報として積み重なった。最近、ウイルソンタシギ、アメリカタシギで検索してみた。北米で撮られた画像も沢山載っている、繁殖期のディスプレイもある。北米産だからウイルソンタシギで間違いではない。その画像から先に述べたようにいろいろな特徴が写っている。ところで図鑑590ではタシギと混同されている可能性があるという事です。ジシギに関心のある方は当然のこととして、褐色味の少ないタシギでかつ肩羽羽縁が細くて白い個体の画像はあるのです。筆者も保有している。しかし、肩羽が細くて白い個体はいろいろなタイプが居るということを観察から画像から確認している。つまり、褐色味に欠け、肩羽が白く細いだけではウイルソンタシギと断定する材料にはならないのです。翼下面が暗色、次列後縁は目立たない、尾羽18枚、褐色味に欠ける・暗色、などが同時に記録されなければウイルソンタシギとは言えない。
 

2011年秋、幼鳥・幼羽では無い、冬羽です。初心者の時は幼鳥、幼羽と思うのが普通です。

タシギ冬羽
 

翼下面は淡色です。タシギ。




次列後縁は白帯が目立つ、タシギです。
2011年秋、上と同一個体。
 上の画像は肩羽羽縁は細く白いです。一見すると幼羽的ですが、いろいろな経験を重ねるとこのような個体は少なからず居る。但し、全体の印象としては普通の褐色味の個体から褐色味に欠ける、所謂暗色タイプまで居る。このような場合はしっかりとした証拠、つまり識別ポイントを写す必要がある。そうでなければ普通種のタシギの可能性大です。このような個体はかなりの頻度で撮影されていると思える。しかし、タシギとは異なる、証拠を撮らなければと思う方は何人いるだろうか。不思議だと思ったら兎に角いろいろな情報を得ることが必要です。但し、このような情報を知って観察するのと知らないまま観察するのでは結果は異なってきます。2022.06.16追記。
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