地鴫識別用語の解説

(C)Birdopia Gallinavi  2012 by HappyChappy
2012,09,28

野鳥図鑑には必ず鳥の部位と用語の解説があります。一般的な解説は図鑑で
十分である。と思っている。更に詳しく調べたいならネット、文献、鳥の専門書を
参照されたい。ここではジシギ識別に関連する用語を解説する。従って、
筆者
が観察で得られた経験を基に
、解説は分かり易く伝える、その重要性を感じてい
るからである。一般的な日本語でもジシギ識別の為の用語である。
見慣れない、聴きなれない、用語もあるがホームページ・
Birdopia Gallinavi をよ
り理解するには役立つと思います。
当HPで初めて解説に使用した用語・造語には
(C)Birdopia2012,©Birdopia2013
を付しています。
最終解説日、2013,08,06
2014,02,06.2014,08,02オオジシギの年齢、2017.01.20修正。、2015,07,12越冬地のGPS
2016,07,03嘴と採餌行動追加。
2017.02.10外側尾羽の色彩、ハリオシギを追加。
2017.06.02ジシギ祭り、を追加。

用  語 解      説
尾羽の名称、呼称 ジシギのより高度な識別では尾羽を知ることから始まります。尾羽は左右対称で偶数が基本です。オオジ19枚の例外あり。尾羽を畳んで一番上が中央尾羽 T-1,です。外側に T-2,T-3,T-4,と続きます。重要な事は中央尾羽を識別することから始まります。尾羽は通常、扇状に開くと尾羽の先端部は重なることなく全てが確認できることがあります。オオジシギのディスプレイフライトなどでは観察することができます。野外の地上では羽繕い、伸び、水浴などの後などで観察することができます。しかし、全ての尾羽が重ならずに全数見えることはタシギを除いてほぼ不可能です。前記のように基本的には偶数ですから、片側尾羽×2=全数です。片側と認識する中央尾羽が起点になるのです。中央尾羽は黒帯が他の中間尾羽よりも突出して黒く見えます。尾羽を識別の絶対的識別とするには枚数と形状だけです。枚数は正しく枚数をカウントすることです。形状は以下の解説のように見方・見え方で形が変化します。針は一枚、一本でも確実ならハリオシギと断定できるのです。形状の判定は外側尾羽の全て或いはその一部からハリオ、チユウジ、オオジと識別できることがあります。尾羽の全枚数はホームページなどで確認して見ましょう。外側尾羽を議論する場合には便宜上番号を最外側尾羽・最も外側の尾羽のことを言います・から 1.2.3.4.5.6.7と付けると分かり易いこともあります。当ホームページでは T-1,T-2,T-3,と外から1.2,3,と併記していることがあります。実際の尾羽画像やイラスト解説を参照すると理解し易いと思います。
尾羽の段差
(C)Birdopia2012
ハリオシギとチュウジシギの識別では、尾羽の枚数、形状が識別の最終的な、つまり絶対的なポイントです。重なりが無く全数(片側×2でも可)が正しくカウントできれば良い。形状で識別するには針状と正しく見ることが大切です。尾羽は見る角度、平面的視点、で平たく、幅広く、正確に見えることになる。ところが水平的視点からの観察では本来の形から異なって見えるのです。つまり、狭い薄い、細い、針と誤認することがあります。針は細く、且短いことが必要十分条件です。針は一本、一枚でもハリオシギと断定できることがあります。そこで中央尾羽の先端部と外側尾羽の平均的な先端部をハリオシギとチュウジシギで比較すると明らかにハリオシギはその差・尾羽の段差が大きいのです。一方、チュウジシギでは差・尾羽の段差が少ないので尾羽をちょっと開くだけで一部、全部が見えてしまうのです。ハリオシギでは針は尾羽の奥の方に位置して、且短いので、ちょっと開いた程度では見えないのです。ホームページに実物画像とイラスト解説があります。つまり、外側尾羽が見えるのは相当な幸運であり、全数、形状が明らかに見えれば超幸運なのです。全開しても尾羽は向こう側、草の陰、風切りに隠れてる。なんてことは普通のことです。

正確な観察
(尾羽の)平面的視点・観察
(C)Birdopia2012
尾羽は閉じた状態で一番上が中央尾羽 T-1,です。二番目は同じ T-1左右の共に中央尾羽です。ジシギが向こう向き、尾羽は手前に向ける。するとT-1が見える。尾羽を開く、左右或いは左右のどちらかが開くとT-2,T-3,T-4,T-5,T-6,T-7と見える。重なりは無いとする。ジシギの体の向きや尾羽の動きでT-1,T-2,・・・・・・・T-7の見え方が変化する。T-1が最も幅広く見えている。T-6,T-7,はやや細く、狭く見える。ことがあります。つまり、見る尾羽をどの位置・視点で観察しているかがとても重要です。タシギで解説しましたが、ハリオシギとチュウジシギでは外側尾羽の幅はそれぞれ1-2mm,2-4mmです。正しい位置・平面的視点・観察が重要になるのです。
不正確な観察
(尾羽の)水平的視点・観察
(C)Birdopia2012
左を向いているチュウジシギが尾羽を広げました。片側尾羽は手前方向で、中央・中間尾羽はやや右側に開いている。中央・中間尾羽が平面的に幅広く見えても、同様に外側が平面的に見えないことがあるので要注意です。一見してT-1,T-2,が平面的でも、開いた外側尾羽 T-6,〜T-10は微妙に水平的に細く見えるのです。それが水平的視点・観察です。誤認することが多くなります。観察しようとしている尾羽(中央・中間・外側どれでも)は正しく、平面的視点・観察が大切です。
種間の酷似性
(C)Birdopia2012
本州を通過するチュウジシギとオオジシギではビギナーにはとても酷似性を感じさせる。南西諸島・沖縄本島では、ハリオシギ、チュウジシギ、オオジシギではハリオはチュウジ、チユウジはオオジに酷似する個体が多いと感じる。個体数が多い事は、ボーダーレスでもある。更にタシギでもしっかりと見ないと?な個体も居る。タシギと判断できないこともある。
種内の個体変異・多様性
(C)Birdopia2012
南西諸島でのジシギは何でも有り、姿・形・色彩・サイズなどとても変化に富む。タシギ、ハリオシギ、チュウジシギでは同一種とは思えないほど個体変異・多様性に富んでいる。これは実際にいろいろな個体を観察したバーダーしか理解できない。個体数が極めて多いので個体変異・多様性がよく分かります。
瞬間移動
(C)Birdopia2012
ジシギ観察中にニヤミスすることがある。ジシギはカムフラージュの名鳥です。伏せたまま、フリーズする。互いに機会を窺っている。そして目を離してカメラを手にして見ると、居ない。??、。ジシギはネズミの如く駆け足で逃げて隠れるのです。目と目が合っているとフリーズ、目を離すと・・・・・・。そんな行動を瞬間移動と呼んでいるのです。経験ありますか?。
平 常 心
(C)Birdopia2012
自然観察ではいろいろな発見があります。そんな時心はハイテンションです。ジシギ観察も例外では無い。ジシギは互いに酷似している、緊張すると姿・形が本来のものとは違ってしまう。そんな時の写真は識別には不適なんです。観察者も観察されるジシギたちも本来の生態で緊張してない状態の画像はとても自然体に見える筈です。特に至近距離での警戒心剥き出しの画像では駄目なんです。如何に、至近距離で自然体の被写体を撮るかは常に努力あるのみです。執筆者も平常心で書くのが普通です。
ジシギ観察 難しいジシギは警戒心の塊です。それを観察するには高倍率(20-60倍)の望遠鏡は必須です。探すには8-10倍の双眼鏡と生態行動観察には至近距離で長時間が基本です。それに必要な携帯イス、日除けやブラインドなどそれぞれのスタイル(デジスコなどの撮影機材など)に合わせて揃えます。フイールドノートは新しい発見など些細なメモは後々重要な情報になります。個人的には日記帳、真っ白なメモ帳を使用している。メモやスケッチなど日付けを付して置く。参考書はバーダー誌2005,9月号、考える識別・感じる識別、SHOREBIRDS、鳥類標識マニュアル・識別編№5,山階鳥研1988年度版などです。
小さなジシギ ジシギは姿・形・サイズ、色彩かとても変化に富んでいるのです。一般的にはオオジシギ>>チュウジシギ>>ハリオシギ>>タシギというイメージです。ところがこれは標準的な個体の比較です。成鳥、幼鳥、雌雄など或いは幼鳥では孵化の時期などの相違で相当な大小の差が感じられます。複数個体或いは異種など混在する時はその大小の差は明確ですが単独での絶対的大きさの判断は相当の経験が必要です。単独の個体で相当小さく感じる個体を誤認してコシギという情報(沖縄では)はとても多いのです。複数で行動している個体は瓜二つで兄弟姉妹と思うことがあります。そして大小が明確に分かるのです。それを明確に伝えるには複数個体の同時撮影がとても重要です。
ジシギの色彩 褐色、白色(バフ色)、茶色、黒色が基本の色です。それぞれの濃淡と模様で淡色(全ての色は淡色がある)、黒褐色、などと呼ばれます。特に本州のチュウジシギは黒褐色で南西諸島のものは淡色(黒味が少ない)と言われる。一般的なイメージとして、タシギは茶褐色、チユウジシギは黒褐色、ハリオシギは淡色・明るい褐色(幼鳥・幼)そしてオオジシギは褐色・淡色(雨覆)です。ところがフイールドではそのイメージは邪魔になることが多いのです。経験を積み重ねて、個体識別を覚える。ほぼ毎年同様な個体が観察される。その場合は経験のJIZZで間違うことは少ない。しかし、とんでもない個体に遭遇したら、しっかりと確証を得るのがジシギ観察の基本になります。タシギでも相当黒褐色のが居て、delicata北米産との誤認も有り得るのです。delicataは翼下面が暗色、次列後縁白帯不明瞭、尾羽16枚の確認が必要です。delicataはアメリカジシギという呼称を提案したいですね。翼下面が暗色のタシギなんて居ませんよね。
ディスプレイフライト
単独飛行
集団飛行

疑似集団飛行
(C)Birdopia2012
日本国内で繁殖するオオジシギは四月下旬には繁殖地に到着して縄張り、求愛のディスプレイフライトを行います。通常は縄張りの範囲内の上空、敷地内のソングポストでするのが一般的です。広大な繁殖地、原生花園などには複数の個体が繁殖する。その広大な範囲で♂のオオジシギが縄張りを越えてディスプレイフライトを始める。次々と♂が参加して集団(2-7羽を観察している)のディスプレイフライトが続けられる。その先頭に♀が飛び入りして先導する。グループのテンションが上がる。♂は互いに牽制しながら♀の気を引き付ける。そして♀が最高調に達すると平野に、すーーーっと着地する。♂も続けて着地する。そこでは神聖な儀式が行われる。つまり、♀は複数の♂との乱婚である。このような集団的ディスプレイフライトを何度も繰り返す。♀はやがて営巣して産卵、孵化、育雛を単独で行う。♂はもっぱら縄張りを守り、集団ディスプレイフライトを続ける。オオジシギの繁殖期は5月から8月です。六月下旬から単独、集団ディスプレイフライトは段々に回数、時間が少なくなります。そして何時の日か全く見られなくなるのです。早い個体は五月下旬から六月上旬に雛連れの母子が見られるのです。その間にも集団ディスプレイが続くのです。何故でしょうか?それはいろいろな諸事情で繁殖に失敗・事故・天変地異・などて遅れたり、再トライということもあるのです。つまり、集団飛行に♀が参加している間は続けられるのです。単独でも同様です。雛が巣立ちその後はディスプレイフライトは邪魔になります。そんなテリトリーから母親は雛を連れてさっさと移動して行くのです。隣り合うジシギの♂だけの複数でディスプレイフライトを行うことがあります。それを観察していると互いに牽制・威嚇を繰り返し着かず離れずフライトするのです。しかし、いつの間にかフライトはバラバラになりそれぞれのテリトリーに戻るのです。それは集団フライトに似て非なる行動なのです。つまり、疑似集団的飛行の一例なのです。一部創作、妄想が含まれています。
絶対的識別点 ジシギの識別では尾羽の枚数、形状が絶対的識別点です。色彩などは補助的に補強する情報に有効です。その他にタシギGallinago gallinagoでは翼下面の淡色・白っぽいことと次列風切り後縁の白帯が明瞭である。その一つ又は合わせ技ではほぼ確実な絶対的識別点として使用できると思います。
相対的識別点 タシギの目先線は嘴基部では眉斑より太い、嘴は基部から先まで一様に細くて長い、頭・顔は小さめで目も小さい・・・・などその種の特徴の傾向を表すポイントですが、それらは一つで識別すると誤認することがあるのです。何故ならタシギ(ジシギ)の個体はそれぞれ変化に富みそれらの範中から越脱する個体のも相当多く観察されるのです。しかし、それらの傾向を一つずつ覚えることもジシギ識別のイロハです。それらの相対的なポイントは図鑑やホームページを参照ください。
外  乱 ジシギは通常外敵も無い時は採餌、休憩、採餌などを繰り返す。しかし、一日中、或いは越冬中に何事も起こらないとは限らない。つまり、何らかの外的要因によって様々なことが引き起こされる。それらを外乱と言う。それらの外乱には、農作業・バーダーなどの人の侵入に始まり、同種・異種のジシギや大き目のシギチからサギ、猛禽、犬猫、マングース、鼠などの天敵の襲来、上空のカラス、サギ、猛禽・サシバ・チヨウゲンボウ・ツミなど最も警戒する。この他に車のバックソナー、単車・オートバイの音、農作業トラクターの通過、ダンプカーの通過など人工的な音にも相当敏感である。しかし、停車している車は天敵の認識は無い。
フルコース
(C)Birdopia2012
ジシギの観察ではいろいろな事がある。遠くにチラリと姿を見せて草陰に隠れて出てこない。なんて事は何時ものことでもある。それではベストな観察・撮影とはどのような場合でしょうか。20-30-40mにジシギを見つける、程良い距離だからジシギも警戒する事も無く餌を捕りながら湿地、畔の側面、畔の上などの地面を突きながら徐々に近づいて来る。勿論、途中で警戒してUターンなんてことも普通の事です。プロミナーで観察を続ける、時折撮影もする。採餌、休憩、羽繕いなどを繰り返しながら更に近づいて来る。この時点ではニヤミスの予感は100%である。観察では近ければ良いというものでは無いのです。何故なら俺の場合は600mmが標準だから、D300で画角一杯になると、D3に切り替える。それでも画角一杯になる。顔・頭だけではどうすることも出来ない。ただただ肉眼で息を凝らして観ているだけになる。そんな時、欲を出し過ぎて300mm手持ちなどをやろうと顔を出してジシギと目を合わせたら、そうです流石に警戒心の塊ですから今までのことは全て水の泡です。そこでじっと観察、待つのみです。再度Uターンもあるが、直角に曲がればそこで観察終了である。このようなやり取りで全体像、前後左右の体形、翼下面、伸び、羽繕い、水浴びなどその個体の全てを見せてくれて撮らせてくれた場合は俺はフルコースと呼んでいる。そのようなフルコースには観察時間は極めて長く数時間、2-3時間になることもある。その前に何らかの外乱が起こり観察が突然中断することも普通に起こるのです。長期間、1-2ケ月間の観察でもそのようなことは数少ないのです。しかし、そんな場合に遭遇することでジシギの奥深さがより身近に感じられるのです。
嘴の形状と採餌
2016,07,03追加
タシギは基部から先端部まで一様な形状でストロウ状嘴、ストロウビル・Straw Bill,(C)Birdopia2012。その他のジシギでは基部が太く先端部は尖るように細い、アイスピック状嘴、アイスピックビル・Icepick Bill,(C)Birdopia2012。と呼んで区別している。これは標準的な個体の場合であり、そうでない個体も多いので要注意。それらの嘴は餌場の場所も異なりタシギでは水のある柔らかな泥地でイトミミズなどを食べる。その他のジシギでは畔の側面など湿り気のある地面で太いミミズを捕ることが多い。繁殖地のオオジシギは草地、路側帯などを利用しているのが観察される。ジシギはミミズの他いろいろな幼虫など多種類を餌にしている。ホームページを参照してください。ジジギの食事を参照。追加2016,07,03今季、不思議なことを観察した。湿った畦でチュウジシギ一羽、タシギ複数2-3羽が
行動を共にしていた。明らかにチュウジシギを確認した、後に画像からハリオシギに訂正することになった。他のタシギも実はチュウジと同様に勘違いしていた。それは採餌行動がハリオシギと全く同一的に感じてしまったのです。よくよく観察すれば微妙な行動が異なるのですが、大雑把な見方で誤ったのです。感ずいたのは一度にこれほどなチュウジシギがまとまっているとは⁇でした。そして各個別に観ると、あれーーー。でした。一見してチュウジシギ的採餌行動をしていたタシギなのです。畦で太いミミズを採餌するチュウジシギ、ハリオシギは嘴は基部まで差し込むことがありますが、タシギでは稀な事です。この些細な採餌行動を筆者は見逃していました。つまり、タシギでも長時間にわたり畦で太いミミズを採餌することがあります。同様にチュウジシギ、ハリオシギでも水のある柔らかな泥地でイトミミズ、ユスリカの幼虫を長時間採餌することもあります。それらの行動を今季は何度か観察しています。先入観は良くないです。反省でした。
ジシギの餌場
湿地
乾いた場所?
乾いて見える場所?
タシギは水のある柔らかな泥地を好んで餌場としている。一方、その他のジシギは乾いた所でも餌場とする。などと解説されていることがある。これはタシギに比べてという表現ならある程度理解できる。しかし、乾いた地面、という表現は乾いているように地表が乾いてるという意味です。つまり、ミミズは乾いた地中には棲めない、又太いミミズは水が浸水したような地中では呼吸できなくなり、地表に出てしまう事がある。適度な湿り気のある土地がミミズの好む環境である。雨の後にジシギが活発になる。活性化することは何度も観察しているし、報告している。これは前の理由でミミズが地表に集まるからでは、と考えられる。タシギ以外の(アオシギも除く)ジシギたちは畔の上、畔の斜面など湿り気のある場所で太いミミズを捕えることが多いのです。タシギは畔や斜面で太いミミズを捕えることはあるか?。採餌を観察しているとタシギ以外のジシギたちは畔の上、斜面に嘴を相当深く、時には基部まで差し込み太いミミズを捕えることが多い。タシギでは地表を浅く、チョンチョンという感じで突いているとミミズが飛び出してくる。それを捕えるというのが多い。飛びだしたミミズを捕まえるに時間を要し、更には飲み込むまでに他のジシギよりドン臭い・遅いのが観察される。そんな場面を観ていると一人微笑まざるを得ないのです。タシギ以外のジシギは乾いたところでも、地中は適度な湿り気がある、というのを理解して頂ければ幸いです。因みにアオシギは渓流の沢沿いで落ち葉などの積もる湿地を餌場とすることが多い。ジシギの食事を参照。
警戒心

愛想の良い個体とは

新見解

©Birdopia2013
ジシギの警戒心を種間での強弱について過去に書いた事がある。その時点での観察経験によるものだから必ずしも誤りとは言えない。当時の経験ではチュウジシギの幼鳥が人・車を恐れずに接近することはジシギマニアなら良く知られた事実である。最も警戒心の強いのはオオジシギ。とも書いた記憶がある。道東での繁殖地以外でのオオジシギとの出会いは限られている事も有り、そのような結論である。あれから五年の月日が経過した。観察日数、種類、個体数もかなりの数になる。この辺で再度経験から警戒心について考えてみた。2013春3月上旬から4月下旬、の一月半沖縄本島で越冬と渡りを観察した。改めて定点観察から得られた事実は以下のようになる。秋の渡りとは異なり遭遇するタシギ以外のハリオシギ、チュウジシギは極めて少ない。秋の渡りのように目を離した隙に個体が入れ替わるなど同時に複数を接近して観察する機会は極めて稀な事でした。単なる畔に休憩、採餌する行動もタシギでさえも少なく、ハリオシギ、チユウジシギは極めて少ないのです。出現するのは朝夕、雨の直後などの限られた時間帯になる。これらの時間帯を把握すればジシギはある程度観察は可能である。しかし、近い、遠いなどのその他の制約が付いて来る。タシギなどの集団越冬では採餌、休憩は団体行動になることがある。それでも外れて行動する個体も見られる。三月も中旬になるとタシギたちも北上を開始する。個体数はどんどん減少する。毎日、同じ場所で観察するタシギが居た。人を見ると飛び去り、休耕田に飛びこむ。そんな行動を何度も同じ場所で観察した。これは明らかに越冬個体で同一個体でした。タシギと言えども、ジシギは本来はこのような警戒心で代々DNAを繋いで来たと思います。もしも、警戒心の薄い・弱い、愛想の良い個体は天敵・人間や猛禽ゃその他の外敵などにそのような行動、愛想の良い行動は命取りです。春の渡りでは越冬個体、渡りの渡来の個体がある程度区別ができるのです。それは定点観察から見えてくるのです。越冬個体はほんの狭い範囲で、ある程度の移動はありますが、一時的で元に戻る事が多いのです。しかし、環境の変化、安全、餌不足など重大な変化では元に戻ることは有りません。一例として、タシギが田芋の水田にて採餌する。休憩場所はその畦道ですが、タガラシが生い茂っている畔で休憩していた。ある日、畔は除草されて丸見えの畔になった。するとタシギたちは二度とそこで休憩することは有りませんでした。つまり、安全な休憩場所では無くなり、止むなく場所を変えて安全確保をした。ということになります。定点観測を続けていると早朝の一周目に、こんな場所には絶対に居ることは無いと思える場所があるのです。そんな場所でポツリと佇んでいる。これは明らかに昨夜、今朝渡り、渡来した個体だと分かるのです。勿論、越冬個体であるその他の場所から渡来した事も考えられます。佇んでいる、非常に疲れているということが直感的に分かります。その個体は俺が居る事には気が付いている。しかし、休憩・休息することに専念しているのです。時々、目を開けて多少、周りの天敵には注意しているのでしょう。早朝は人の通行も少なくて静かです。そんな状態が暫く続くのです。そして、突然に警戒心のモードにスィッチが入ったかのようになり、こちらを警戒し、伏せ、遠ざかる、隠れる、逃げる、飛び去るなどの警戒心に戻るのです。つまり、愛想の良いという警戒心の薄い個体というのは実は何らかの理由によりそのような接近を止むを得ず行っているのです。いくら愛想が良いとは言っても都市公園のドバトのように手乗りすることは絶対に無いからです。一例としては畔でミミズを採餌しているチュウジシギはある程度の距離で人の存在を感じている。しかし、太いミミズを捕食すると、突然、採餌専念モードになり人の存在は気にしながらも、採餌・捕食行動優先モードが警戒モードに打ち勝つのではないかと思います。次の例では、このように採餌していて愛想が良かったのに、次の機会に出会うとやはり愛想は良いのでしょうか、いやいや人を認識しただけで前回、先日の愛想の良さは何だったのでしょうか、と変わるのです。同一個体でもその時の条件、空腹、採餌、満腹、休憩、など様々な要因で警戒心は時には強く、弱くなる。と言う事です。基本的には警戒心が強いが普通の状態です。薄い・弱いのは何らかの理由がある、その理由は何か。長距離移動、疲れ、採餌、空腹、満腹、休憩、時間帯・朝夕、晴天・強風、曇天などの気象条件、雨地鴫というくらいにジシギは雨が大好きです。畔でミミズを捕えたジシギが又ミミズを捕食する。どんどん捕食モードにハイテンションに変化するのが観察者には分かるのです。一旦満腹になり小休憩、採餌再開、もう人間の存在すら気が付かずにニアミスする。流石に観察者もハイテンションになり冷静さが無くなると、ウインドウから顔を出して真下にいるジシギを見る。ジシギは一瞬にしてフリーズする。そしてどんどん遠ざかるのです。同じ個体を何度か日時を変えて観察できるとよく分かるのです。そのような愛想の良い個体に連続して出会えるのも偶然の更に偶然の重なりと思えるのです。そうでなければジシギDNAは必ず何れ途切れてしまう事になるでしょう。2013,05,24
外側尾羽の色彩
チュウジシギ
オオジシギ
ハリオシギ
チュウジシギでは暗色・黒色の傾向、オオジシギでは淡色の傾向。と言われている。チュウジシギで
は南西諸島、沖縄県で観察されれるチュウジシギでは淡色の外側尾羽の個体が普通に観察される。本州で観察されるチユウジシギは確かに暗色・黒色系がその傾向を示している。ジシギも全国的な観察地からの情報が増えている。従って、チユウジシギの暗色・黒色の傾向は参考情報とするのが現実的である。一方、オオジシギでは淡色傾向である。が一般的に通じている。しかし、情報が増えてそれらの例外も多々あることに注意する必要がある。つまり、尾羽、外側尾羽の色彩、暗色・淡色は参考程度にするのが妥当である。勿論、外側尾羽の色彩は決定的ポイントでは無いことに気がつけば問題ないです。2013,08,06
どういう訳かハリオシギの外側尾羽の色彩に関しては明確に書いたことが無いと思う。イラストでは
何度か公開している。バーダー誌を何度も読んでいたら気が付いた。ハリオシギの外側尾羽には横班は無く羽軸の内外、内弁=白色・淡色、外弁=暗色・黒色が一般的である。且つ羽軸だけのように針状に見えるのが普通です。細くて明確に内弁外弁が中間、中央尾羽のような形状では無いことに注意を要する。2017.02.10(金)
連続的、不連続的
環境でのジシギの見つけ方
広い水面にカモSPが一羽又は複数個体で居ると誰もが見つけるのは簡単です。しかし大群のスズガモ、♂♀混群の中からコスズガモを見つけ出すのは極めて困難な事である。それでは一面の草地・芝地のような均一な環境ではそこに一羽のジシギが座っていたら、ウォッチングの経験者なら、異質な物と直ぐに感じる。それれは目視でも双眼鏡或いは望遠鏡でも同様である。それでは枯れた切り株などのある草地では一見して連続的に見えるが、そこには一部濃淡のある枯れ草などが連続的、不連続的にある。そんな環境でジシギをどうして見つけるか、それは経験と丹念な探索しか無いのです。通常カムフラージュされたジシギは静止していれば殆ど気が付くことは無い。それを彼らは知っているので危険が身辺に及ぶ直前まで動き、飛び立ちなどする事は無い。そんな環境下でカムフラージュしているジシギを見つけると、良しよしやったな。という感じでとても嬉しいのです。ジシギだけでは無くカムフラージュする鳥たちの発見はそのような行動から俺は見つけ出している。?と思って双眼鏡で覗くと殆どはハズレが多いのも事実ですが、誰もが見つけられないのを見つけ出す時の快感は何とも言えないものです。2014,02,06
オオジシギの年齢
について
2017.01.20修正
幼鳥、幼羽から第一回目冬羽、11-12月頃には成鳥冬羽との区別は不可と海外の図鑑には記載されている。幼羽から第一回目冬羽への換羽は部分換羽であり、ついで春には第一回目の夏羽、繁殖羽に部分換羽する。ここで幼羽の痕跡が残れば第一回目の夏羽の特定になり得る。そこで注目したのは尾羽・外側である。幼鳥・幼羽では尾羽は極めて淡色である。その幼羽・尾羽は完全換羽が行われる第二回目冬羽になる以前なら観られる筈である。全ての幼鳥・幼羽・尾羽は淡色では無いからその傾向を強く表すということに注目すれば良いと思う。何れこれらの着目点が一つの方向になればと思っている。2014,08,02
2017.01.20バーダー誌2016.10ジシギ類識別のための基礎知識が掲載された。これによるとオオジシギだけが他のジシギとは異なる完全換羽をすることが公開されました。従いました前記の私の推論は誤りです。何れ
考えがまとまれば公開予定です。新しい知見が公開されるのは大変嬉しいことです。閑雅が
越冬地のGPS
©Birdopia2015
春の沖縄で越冬、春の渡りの観察を三年間続けた。ジシギ、ハリオ・チュウジはほぼ越冬場所を決めている。という事が分かっている。長期間の観察で分かる事です。越冬地・場所は餌が豊富であることと隠れるなど安心安全が最優先される。勿論、採餌場所と休憩、休息場所が異なる場合もある。ハリオシギでは極めて乾燥した草地で越冬、休息している。場合によっては採餌の可能性もある。ところがその隣り合わせた水田にて時折観察されたのです。そして飛び立つと決まってその乾燥した草地に飛びこむのです。生息場所が確認されたので何度もチェックを繰り返した。すると今度はその草地での生息を確認できたのです。メインはその場所ですが、夕方になると水田・湿地にでて採餌、又は水浴などをしている。と感じたのです。
チュウジシギが湿地の草地の畔で採餌するのを何度も確認した。これは時季的に越冬でした。ある日、その湿地の草地は除草・田起こしが行われました。当然その場所は丸見えでした。そんな場所にチュウジシギが居たのです。勿論、外敵を認識して即、草地に隠れました。チユウジシギは明らかに元の湿地・草地に戻ったのです。とても危険な行動と思われます。その後別の場所を見つけて暫くの間越冬していたのを観察している。そのチユウジシギは個体識別が可能でした。ジシギたちは安全な場所に固執するのです。2015,07,12梅雨の晴れ間です。
 ジシギ祭り
©Birdopia2017
 ジシギの観察していると極めて幸運な場合には至近距離でいろいろな生態行動を観察することがある。そんなことをフルコースと言ってジシギ観察をしていて本当に良かったと思える至福の時間です。そんな時間は長ければ長いほど良いが、ベストコンディションはそうそう長くは続かない。短ければ一瞬で終わるし、余ほどの幸運でも外的条件、人が近づく、天敵が出現する、そのたいろいろなことで至福の時間は一瞬のうちに終わるのが常である。それではジシギ祭りとは何だろうか、春や秋の渡りは鳥の都合で滞在時間は数時間から数日あるいは一週間以上と様々です。今季は四月中旬にジシギの渡りがピークを迎える頃に起こった。初日には広い休耕田にジシギが数羽居るのを見つけた。当日はプロミナーでの観察、撮影は一応証拠写真ということで数枚撮る。翌日にはジシギたちは6羽居ると分かった。その中にチュウジシギが一羽混じっている感じがした。そして三日目は何と10-15m以内の至近距離で繰り返し採餌、休憩、水浴、羽繕いを繰り返す。6個体が入り乱れて至近距離でそれを繰り返した。大凡3-4時間も続いた。ランチタイムもそこそこに暑い車の中で給水しながらパン、バナナなど食べては、撮影を繰り返した。この日の撮影は多分2500枚以上であった。
最後は、子供たちの課外授業で郊外を散策していた。その子供たちの歓声でジシギたちは隣の芋田に飛び込んだ。終わりを決められないでいた俺にとっては救いの神であった。その翌日からは少ない、2-3羽ずつその休耕田で採餌をしていたが、至近距離に来ることは無く極めて警戒心の強い普通のジシギたちに戻っていた。渡りの途中ではかなりのエネルギーを消費する、疲労もあり、休憩と採餌を頻繁に繰り返す。しかし、数日経過すると体力も快復して採餌もかなり警戒しながらとなりなかなか至近距離での観察、それも数羽もまとまっているということはこれまでに経験したことのない観察であった。その観察を通してハリオシギの分類なども考えたりしていた。貴重な経験をした。
そんな経験をジシギ祭りと言っても良いと思っている。多分二度と無いことだろう。
inserted by FC2 system